カウンターの中でゆらめく炎を眺めながらの一杯！　これが薪火を取り入れた最新の日本料理　東京・渋谷の「SHIZEN」

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薪の種類は調理する食材によって使い分けられる

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薪火を利用した料理がトレンドになっているが、そこに発酵の技を取り入れたのが東京・渋谷の「SHIZEN」。懐石の流れで出される日本料理は、格別な味わいである。

フランスで薪火料理に出会った料理長

2023年1月に渋谷にオープンした「SHIZEN」の料理長・國居優氏は、懐席料理の名店で修業後、フランス・アルザス地方で公邸料理人として暮らしていた時に薪に興味を持ったという27歳。現地で薪火を使う郷土料理店を訪れたのがきっかけで「自分も薪を使いたい」と思い、帰国後は東京・調布の「Maruta」で働きながら薪火と発酵を学んだ。

薪火で皮目をサッと炙ったサワラのお造り。ソースはホタルイカに塩をあてて1年熟成させたものに麦麹を加え、刻んだフキノトウの蕾を加えたもの。

薪火で皮目をサッと炙ったサワラのお造り。ソースはホタルイカに塩をあてて1年熟成させたものに麦麹を加え、刻んだフキノトウの蕾を加えたもの。

その経験を活かして「SHIZEN」で提供するのは、薪火と発酵の技を駆使し、懐席の流れで出す日本料理。例えば唐津産サワラのお造りは、薪火と発酵の技が光る一皿。サワラは灰の中で3日間熟成させているため、その間に灰がサワラの皮の水分を吸い、皮が薄くパリッと焼けるのだとか。一方、身の方は完全に生の食感。國居氏いわく、身に火が入る前に皮だけ焼くことができるのは、煙に水分が含まれている薪火ならでは。店内の発酵庫で熟成させたホタルイカの醤（ショウ）とフキノトウのソースをつけて味わえば、サワラとホタルイカとフキノトウ、そして薪と発酵の香りが調和した、深い味わいを楽しめる。コースのメインとして登場する焼物のジビエは、薪の香りと抜群の相性だ。

カウンターの中でゆらめく炎を眺めながら、薪火を取り入れた最新の日本料理を楽しんでみては？

「SHIZEN」東京都渋谷区渋谷3-6-18 荻津ビル 3F　店内はカウンター7席のみ。完全予約制で、ショートコースは6品1万1000円（平日17時、土日祝16時一斉スタート）、フルコースは9品1万9800円（平日19時半、土日祝18時半一斉スタート。予約はHPで。