2024.06.30

CARS

【試乗速報】「ロールス・ロイスの辞書にスポーティという言葉はない」 シリーズIIに進化したカリナンにスペインで試乗! 出来映えに脱帽

2018年の登場以来、ロールス・ロイスの販売台数を押し上げてきたカリナン。そのベストセラーSUVがフェイスリフトを受けてシリーズIIなった。地中海に浮かぶスペインのイビーザ島で開かれた国際試乗会からエンジン編集長のムラカミがリポートする。

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90%以上が自ら運転を楽しむ


スペインのイビーザ島といえば、今やクラブ・カルチャーの新たなる聖地として世界中に名を馳せる若者たちの憧れの地なのだそうだ。残念ながら、そういう方面の知識には滅法疎い私はまったく知らなかったが、中には入場料が日本円にして数十万から百万円以上もするようなVIP御用達の超高級クラブもあると聞いて、強烈なカルチャー・ショックを受けた次第である。

ノーマル・モデル。パンテオン・グリルの上部の色の違いなどで識別できる。


とはいえ、ロールス・ロイスがフェイスリフトしたカリナン・シリーズIIの国際試乗会の舞台としてこの島を選んだのは、クラブ・カルチャーの聖地だからではなく、ここにはロールス・ロイスの顧客や将来そうなって欲しい世界中のエスタブリッシュメントが多く別荘を持つなどして訪れているからだ、というのがプレスカンファレンス冒頭の広報担当者の説明だった。しかし、続けて2018年にカリナンがデビューして以来の顧客の変化についての話を聞くに及んで、やっぱり、少しはクラブ・カルチャーのこともアタマの隅にあったのではないか、と勘繰りたくもなったのである。

内装ではシートのファブリック素材に新デザインが導入されたほか、インパネがフルデジタルになり、アナログ時計の下にスピリット・オブ・エクスタシーが加わった。


というのも、6年前の登場時には自らハンドルを握るオーナーは70%以下であったものが、今では90%以上が自ら運転を楽しむためにカリナンを買い求めているというのだ。しかも、昨年のロールス・ロイスの世界販売台数6036台のうち半分近くがカリナンで、もはや大黒柱といっていい存在になっている。結果として、カリナンの登場により、ロールス・ロイスの顧客全体のポートフォリオは大きく変化することになった。すなわち、2010年には平均年齢が56歳だったのが、今では43歳まで下りてきているというのだ。となれば、クラブ・カルチャーに大いに関心を持っているような若き成功者たちがすでにオーナーになっているか、これからなる可能性は大いにあると言っていいだろう。

内装ではシートのファブリック素材に新デザインが導入されたほか、インパネがフルデジタルになり、アナログ時計の下にスピリット・オブ・エクスタシーが加わった。


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