【その2】718ケイマンGT4 RS　やばい、もうやめてとこう、と思いながらつい踏んでしまう妖艶なエンジン！【911GT3 RS、ケイマンGT4 RS、911ダカール最新ポルシェ3台試乗】

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まるでエンジンと同棲しているような気分？　718ケイマンGT4 RSに試乗

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スポーツしようぜ、と言いながらポルシェが出てこないのはありえない。という編集長ムラカミの鶴の一声で集められた、最新のとびっきりスペシャルな3台のポルシェ、911GT3 RS、718ケイマンGT4 RS、911ダカール。春の雨の中で乗ったエンジン編集部の面々があらためて感じたこととは。今回は、その2としてGT3のエンジンをケイマンに押し込んだ718ケイマンGT4 RSを取り上げる。◆その1の911GT3 RSから読む場合はこちら！

エンジンとドライバーが同棲してる？

上田　GT4 RSって、あんなに吠えるんですね。基本エンジンは同じはずなのに、始動の瞬間から違う。

村山　素のGT4が911の過給ユニットからターボを外し排気量も上げた新エンジンなのに対し、GT4 RSはGT3のユニットそのもの。

村上　そのエンジンとドライバーが近い。同居……というか同棲してる。

一同　（笑）。

村上　たまらないですよ。あんな妖艶なエンジンが常にあんなに近くにいたら。5000回転を超えたくらいからどんどん音が変化して……やばい、もうやめとこう、やめよう、って思いながらも、つい踏んじゃう。GT3 RSよりGT4 RSの方が吹け上がりが鋭かったよね。

村山　それは走行距離がかなり進んでいたからかもしれません。

上田　GT4 RSは運転している自分が気持ちイイ。でもGT3 RSは外で聞いているのも気持ちイイ。ダカールでGT3 RSを従えて走っていた時、トンネルの反響音がもう、たまらなかった。

村上　GT3 RSは性能のための本気の音。レーシングカーは音を作っていないからね。でもGT4 RSの音は聞かせるようにチューニングしている。それに、GT3エンジンを載せるために、リア・クォーター・ガラスまで潰して吸気口にしていることも影響しているだろうね。

村山　ちょうど耳の真後ろです。

村上　GT3のエンジンをケイマンのシャシーに載せることは想定していなかったと思うんだよね。

上田　GT3エンジンはあくまで911だけ。不文律だったと。

村上　それをあえてやったのは、もうアナログのスポーツカーの最後だっていう思いがあったと思う。GT3 RSはまだ次がありそうだけど、GT4 RSはもう次がない。あらためていいなぁと思った。

上田　718シリーズはもうBEVになると決定済みですからね。

村上　やっぱり毎日スポーツするならコレかな。

上田　でもクルマでスポーツしよう、乗ろうという精神性重視で、求道的な、対峙するような感覚を重視するならエンタメ要素のあるGT4 RSよりGT3 RSなのかも。

村上　単体で乗ったらGT4 RSだって相当なものだと思うけどね。

上田　それを言うなら911カレラTあたりでも、もう十分スポーツしようぜ、っていう感じはありますよ。

村上　GT3 RSはサイボーグ感がある。人間を超えているというか。最新鋭のパワード・スーツのような感じ。かたやGT4　RSは頑張っているアスリートのトップ。新世代の頂点と、旧世代の頂点。

村山　GT4 RSはまだ身近な、馴染みのある世界でしたけど、GT3 RSはまったく未知の世界に足を踏み入れた感じがありますね。

上田　昔はウサギ跳びもトレーニングの1つでしたよね。それが正しいとされた頃もあった。でも時代は変わった。同じRSでも両者の間には大きな転換点があった気がする。

村上　ウサギ跳び!?　そこまで古くないだろうけど、確かにGT4 RSに比べてGT3 RSは科学的で緻密な分析に基づいて鍛えた感じだ。

◆「これはコスプレなのか？」という911ダカールに乗って感じたこととは？　この続きは【その3】で！

話す人＝村上政＋上田純一郎（まとめも）＋村山雄哉（すべてENGINE編集部）　写真＝郡大二郎

■718ケイマンGT4 RS
駆動方式　ミドシップ縦置エンジン後輪駆動　　
全長×全幅×全高　4456×1801×1260mm　　
ホイールベース　2484mm　　
車両重量　1490kg　　
エンジン形式　水冷水平対向6気筒DOHC　　
排気量　3996cc　　
ボア×ストローク　102×81.5mm　　
最高出力　500ps/8400rpm　　
最大トルク　450Nm/6750rpm　　
トランスミッション　デュアルクラッチ式7段自動MT　　
サスペンション（前）　マクファーソンストラット　　
サスペンション（後）　マクファーソンストラット　　
タイヤ・サイズ（前後）　245/35ZR19／265/30ZR20　　
ブレーキ（前/後）　通気冷却式ディスク　　
車両本体価格　2024万円

（ENGINE2024年7月号）

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