2024.08.23

CARS

パワステが死んでまた地獄へ(涙) ヤフオク7万円のシトロエン・オーナー、エンジン編集部ウエダの自腹散財リポート【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#47】

神奈川県・大磯に出向いたリポート車。後に見えるのは特集「ちょっと古いクルマ探検隊」取材会場となった大磯プリンスホテルにあるプールの滑り台。強い日差しを避けるため、リアのサン・シェードを引き出している。

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2度のパワステ・シリンダー交換

最初に着手したのは、いちばん怪しいとされたステアリング・ラック内部のピニオン・バルブのシールだ。LHM漏れもわずかにあり、分解してみると、確かに3本入るシールのうち、1本はひずんでシールとしての機能を果たしていなかった。

シールの一つがねじれている。LHM漏れの原因か。

つづいてステアリング・シリンダー。ここはビニールのカバーを大規模修復の時に追加しておいたのだが、このビニール内にもLHMが少しだけ漏れ溜まっていた。残念ながらこのシリンダーはシールなどオーバーホール・キットが存在せず、アッセンブリー交換が前提となっている。しかし、当然ながら新品部品はない。念のためブーツのみ交換し、再装着。しかしこの2カ所に手を入れても、残念ながら症状は改善しなかった。カークラフトを出て15分ほど走っていると、あいかわらずステアリングのパワー・アシストはあっけなく働かなくなってしまう。

次に手を入れたのはLHMを車体のあちこちへと送り出している、いわば心臓部ともいえるハイ・プレッシャー・ポンプだ。ここは大規模整備時、清掃のみにとどめたところ。前オーナーのストックしていた部品がディーゼル車用で適合しなかったためだ。今回の原因の大本命ではあるが、なかなかに手のかかる部品である。

……続いてハイ・プレッシャー・ポンプを脱着。

コンプレッサーやオルタネーターとともに駆動しているベルトをいったん取り外し、完全に分解。さらに清掃し、消耗品も一式すべて交換する。なお、以前も別のエグザンティアでポンプのオーバーホールをしたそうだが、純正のシールでは何度やってもLHM漏れが止まらなかったらしい。そこであえて、カークラフトでは汎用の別素材のシールを用いているという。幸い組み立て後、一度も漏れは起こっていない。

しかし、2度目のロードテストでもあっけなくステアリングのパワー・アシストは沈黙……。据え切りはほぼできないくらいの重さになってしまうので、移動は本当に大変らしい。

今度はいったん組み付けたステアリング・シリンダーも怪しいということでふたたび外し、部品取り車として所有するアクティバから取り外してきたシリンダーを移植。アクティバはリポート車に比べ長さは変わりないが、シリンダーの径がやや太く、容量は若干増えている。

上がリポート車、下がアクティバのダンパー。長さは同じだが径が少しアクティバの方が太い。

径の違いで取り付けは調整が必要になったが、ワッシャーを挟むくらいで無事、装着できた。しかし、シリンダーを交換した後の3度目の試乗時も、やはりステアリングのパワー・アシストは突如として作動しなくなるのである。

次回は3度目ならぬ4度目の正直で、ようやく復活した模様と、それに続く、さらなる惨事についてご報告する……。

■CITROEN XANTIA V-SX
シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2023年7月時点までの支払い総額は261万4282円)
導入時期 2021年6月
走行距離 17万6876km(購入時15万8970km)

文と写真=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=カークラフト

◆エンジン編集部ウエダのシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート連載一覧はコチラ
ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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(ENGINE WEBオリジナル)

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