2024.09.18

CARS

ヤフオク7万円のシトロエン・オーナー、エンジン編集部ウエダの選んだカー・オーディオは今どきMD?【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#50】

無事、装着されたソニーMDX-C5300。ステアリング・ホイールのリモート・スイッチにもちゃんと反応する。

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今回はたまたま入手できた、今どき珍しいオーディオ・ユニット装着の続篇。はたしてリポート車のステアリング・ホイールに装着されているリモート・スイッチをどうしても使いたい! という編集部ウエダの願いは叶ったのか?

電子部品、発見!

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前回ご紹介した、当時輸入元が作成したと思われるオーディオ・ユニットとステアリング・スイッチを繋ぐ電子部品。僕がこいつの存在に気づいてから、すでに1年以上が過ぎていた。実はほぼ忘れかけていたのだが、リポート車の主治医であるカークラフトに最終型の赤いエグザンティアが入庫したことで、事態は急展開した。



このクルマは内外装すべてオリジナルで、新車当時からのソニー製のMD(Mini Disc)プレイヤーも、装着されたままだった。カセットは近頃ちょっとしたブームだし、高速道路のSAなどではまだ演歌のテープが売っていたりもするけれど、MDはレアだ。ベータマックスやDAT、レーザーディスクほどじゃないけど、もはやほぼ忘れられた存在である。



カークラフトの篠原勇さんは、このMDプレイヤーを捨てて現行のオーディオ・ユニットに変更するから、不要になる配線ごと、いるなら持っていっていいぞ、という。僕は「せっかくだからオリジナルのままのほうがいいですよ」と伝えたけれど、今どきMDはなかなか使いにくいだろうから、無理強いはできない。

調べてみると、MDプレイヤーの型番はMDX-C5300と分かった。ソニーは日本におけるカー・オーディ事業から撤退してしまっているが、説明書が今でも公式HPからちゃんとダウンロード可能なのはありがたい。それによれば正式名は「FM/AMミニディスクプレイヤーMDX-C5300」で、別売りのMD/CDチェンジャーや、車載用テレビ、ビデオへの接続も可能とある。1999年頃の製品なので、すでに四半世紀近く前のものだ。

赤いエグザンティアからこのMDプレイヤーをいったん取り外して裏側を確認すると、車体側に繋がる配線の間に小さな箱が付いていた。何本かのケーブルを束ねた、両端が黒いカプラーになっている配線部はよく見かけるが、そこからスポンジで覆われた黒い箱へも何本か線が繋がっている。そしてその箱からは、さらに3.5mmのミニ・フォーン・プラグに続く線も伸びていた。これだ! 僕が探し求めていた電子部品とは、こいつに違いない!



MDX-C5300の背面には、リモート・コントロール端子という青色のジャックがあり、黒い箱からのプラグはここに繋がっていた。ソニーはかつて有線のロータリー・コマンダーという、スティック型リモコンを販売していた。このジャックを利用し、手探りだけで自在にオーディオ・ユニットを操作できる優れものだ。ロータリー・コマンダーと同じくエグザンティアのステアリング・スイッチからの電子信号を変換し、MDX-C5300に伝えるのが、この小さな箱の仕事のようである。

つまり、リモート・コントロール端子を持つソニーの1DINのカー・オーディオであれば、MDX-C5300にこだわる必要はないともいえる。実は現在でもソニーのカー・オーディオはAmazonなどで海外向けの新品が入手可能なのだ。もちろん国内のソニーのサポートなどは受けられないし、対応する周波数も異なるから変換が必要だ。それでも今どきのスマートフォン接続が前提の、BluetoothもUSBポートも備えた最新カー・オーディオが100ドルほどで購入することができる。

でも僕はやっぱり当時の佇まいを残したいと考え、最新の製品でなく、四半世紀近く前のMDプレイヤーを、赤いエグザンティアからリポート車に移植することに決めた。実際にはエグザンティアはオーディオ部分を覆う可動式のカバーがあるため、普段はぜんぜん主張はしないのだけれど、やっぱり時代が合っていると雰囲気が断然いい。もっとも家族からは「エ、エムディ? カセットじゃなくて今度はMDなの?」とさらに呆れられている。

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