2024.10.16

CARS

ワクワクしたくて買うならどっちだ? 日本代表、トヨタGRヤリス vs 世界選抜、ヒョンデ・アイオニック5Nに国沢光宏が試乗 クルマ好きのハートを熱くする2台の戦闘機!

選ぶならどっち?

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ここからが本題です。「終わり」と「始まり」のどちらが楽しいか? 私の結論は案外簡単に出ている。クルマにドップリ浸かりたいなら終わり。毎日付き合うとすれば始まりだ。終わりは「人が運転する」という20世紀的クルマ作りの頂点であり、楽しさの裏側に「面倒くさい」や「テクニック」が潜んでいる。そしてそいつは奥行きにもなってる。

始まりは面倒くさくもなく、テクニックだって不要。クルマの楽しさだけをクローズアップさせた。満足感という点からすれば20世紀を知っていると物足りない。でも20世紀を知らなければどうか? 十分に濃い味だと考えます。自ら操らなければ走らないクルマを知らない若い世代にとっちゃ、始まりが全てということ。



もし「休日に乗るクルマを考えている」というのなら、遠からず消えて無くなる20世紀を味わっておくことをすすめたい。GRヤリスのハンドルを握り、3つのペダルと6段のギアを操りながらワインディングロードを走った時のワクワク感は、始まりのクルマには無い。

逆に毎日の移動を楽しみたいという人は始まりのクルマがいいと思う。Nモードを選ぶと移動を楽しめるし、考え事に集中したい時は個性が消える電気自動車になってくれる。ヒョンデは20世紀に乗り遅れたので始まりのクルマに注力。20世紀のノウハウを山ほど持ってるトヨタが終わりのクルマに注力したと思えば解りやすいんじゃなかろうか。

お金に余裕のある人なら、休日用にGRヤリスを。毎日の相棒にアイオニック5Nを選ぶなんて手もある。2台以上持っている人あるあるで、毎日同じクルマに乗ってしまうけれど、このくらいキャラが違うと迷わない。2台を使い分けられると思う。もちろんGRヤリスでなく、ロードスターやGR86/BRZ、フェアレディZなどでもイイ。

全然関係ない話ながら、新幹線を秒単位でホームに入らせ停止位置を1cmもズラさない運転手が蒸気機関車に乗ったら、マトモに走らせられないと思う。その逆は比較的短い時間でマスター出来るだろう。しかし! 新幹線の運転手は苦戦しながらも「楽しい!」と感じるんじゃなかろうか。30年後の若いドライバーがGRヤリスに乗ったらどう思うだろう?

文=国沢光宏 写真=望月浩彦

■ヒョンデ・アイオニック5N 
駆動方式 前後電気モーター4WD
全長×全幅×全高 4715×1940×1625mm
ホイールベース 3000mm
車両重量 2210kg
電気モーター 永久磁石同期式
最高出力フロント 175ps(ブースト時238ps)
最高出力リア 303ps(ブースト時412ps)
最大トルク前後 740Nm(ブースト時770Nm)
バッテリー リチウムイオン
総電力量 84.0kWh
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前後) 275/35R21

■GRヤリス RZハイパフォーマンス
駆動方式 フロント横置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 3995×1805×1455mm
ホイールベース 2560mm
車両重量 1280kg
エンジン形式 直噴式直列3気筒インタークーラーターボ
排気量 1618cc
ボア×ストローク 87.5×89.7mm
最高出力 304ps/6500rpm
最大トルク 400Nm/3250~4600rpm
トランスミッション 6段マニュアル
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/コイル
タイヤ(前後) 225/40R18
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
車両本体価格 498万円

(ENGINE2024年11月号)

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