2024.12.10

CARS

新型になったシトロエン・ベルランゴの新しい顔はどうですか? 穏やかな乗り心地は健在 この味わいはたいしたもの!

ベルランゴが、好評だった2段式ヘッドライトの顔を刷新するフェイスリフト

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今や日本市場でのシトロエンの看板車種となったベルランゴが、好評だった2段式ヘッドライトの顔を刷新するフェイスリフトを受けた。果たして、この戦略は吉と出るか、それとも……。モータージャーナリストの森口将之がリポートする。

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シトロエンの新しい顔

流行の発信地パリ生まれのプライドなのだろうか、シトロエンは10年ぐらいごとに、デザイン・テーマをがらっと変えてくる傾向がある。



これまでは2013年にコンセプトとしてお披露目し、翌年市販型を発表したC4カクタスのモチーフを展開していたが、2022年のパリ・モーターショーでコンセプト・カーのオリ・コンセプトがアンベールされると、同車に装着されたシトロエン創業時を思わせる新しいエンブレムともども、この路線で行くことになった。すでに欧州では新型C3などが、この顔でデビューしている。

センターディスプレイは大型化し、ATのセレクターはほかのシトロエンにも使われるスライド・レバーになった。

そして日本へは、いまやこの国でのシトロエンを代表するモデルになったベルランゴのマイナーチェンジが、最初の導入になった。とはいえマイナーチェンジなので一新はできず、変わったのはもっぱらフロント・マスクだ。

新しい顔は、かなり幾何学的な造形で、モダンなところはシトロエンらしい。ただしダブルシェブロンのエンブレムから伸びるモールの両端にデイタイム・ライトを置き、下にヘッドライトとグリルを置いた先代のそれは、独創的でありながらまとまりもあったので、その点で新型はちょっと物足りないと感じる人がいるかもしれない。



ボディ骨格やパワートレインを共用するプジョー・リフターもマイナーチェンジしており、こちらは先代より個性的。同じく兄弟車のフィアット・ドブロも欧州では新型に移行済みで、500eや600eに近いグリルレス風の顔つきになった。

それを思うとシトロエンも、もう少しこだわりが欲しかったという気はするけれど、マイナーチェンジなので限界があることも事実。それに白以外はシックなブルーとグリーンというボディ・カラーを含めて見ると、これまでとは違うキャラクターを打ち出しているような気もする。



穏やかな乗り味も健在

メカニズムの改良点は、アダプティブ・クルーズコントロールの性能向上、レーンポジショニング・アシストの追加などで、パワートレインやシャシーについての言及はない。

1.5リッターのディーゼル・ターボは、相変わらずディーゼルとしては軽やかな回り方に好感を抱いた。標準ボディでも1.6tに達するので力強さはほどほどだが、8段ATが的確な変速をしてくれるおかげもあって不満はない。



穏やかな乗り心地と身のこなしも健在。背の高さからくる不安を感じさせず、この味わいを出せるのはたいしたものだ。さらにシトロエンっぽい、ゆったりした乗り味を望みたい人は、ホイールベースが190mm長いロング・ボディを考えてもいいだろう。

つまり顔以外はこれまでベルランゴが築いてきた世界観そのもので、メーターや運転支援システムなど着実なアップデートも確認できた。とりわけフル液晶パネル表示のメーターは、モデルチェンジで一部が液晶表示となったライバルのルノー・カングーを、再び引き離した感がある。日本車のミニバンとの比較も多そうな車種だけに、フロント・マスクよりこちらに目が行くユーザーもいるのではないだろうか。

文=森口将之 写真=佐藤亮太

(ENGINE2025年1月号)

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