2024.12.11

CARS

寒くなんかないぞ、冬こそオープンカーだ!  モータージャーナリストの九島辰也がシボレー・コルベット・コンバーチブルに試乗!!

シボレー・コルベット・コンバーチブルにモータージャーナリストの九島さんが試乗。

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初代からずっとコンバーチブルを欠かさないシボレー・コルベット。コンバーチブルの屋根を開けると海が見たくなるのはカジュアルなキャラクターのせいかもしれない。

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コルベットがレースで活躍しているのはいまさら多くを語るまでもないだろう。1999年にスタートした国際レースへの参戦プロジェクトは輝かしい功績をもたらし、そこからフィードバックされた技術で市販車のクオリティを高めてきた。 

FRからミッドシップへと大変身した8代目コルベット。ミッドシップ化に伴い、リア・サスペンションはリーフ・スプリングからコイルに変更されるなど、走行性能のアップが図られている。


スタート時のレーシングカーはC5ベースのC5・R。そこからさまざまなカテゴリーでバトルを繰り返した。GT1、GT2、GTLM/GTEプロ、そしてGT3だ。でもって最新のマシンはコルベットZ06 GT3 R。より運動性能を高めるためにコルベット史上発となるミッドシップ・エンジンを採用したC8をベースとする。今年もIMSAやWECでポディウムに上ったのはいうまでもあるまい。 

そんなコルベットだが、彼らのモデルには必ずオープンエア・モデルが存在するのをご存知だろうか。レースでの活躍を期待するだけならクーペで十分。それを市販車にすればイメージ通りのレーシーなモデルに仕上がるのだが、カタログに並ぶのはクーペとコンバーチブル。屋根開きを放棄したモデルは一世代もない。そう、コルベットとオープンエア・モータリングは切っても切れない関係にあるのだ。 

コクピットはドライバー・オリエンテッドの考え方が貫かれている。オープン化による車重増はわずか30kg。エンジンやステアリングなどのドライビング・モードを詳細に設定することができ、ステアリング・ホイールの「Z」ボタンで瞬時にそれを呼び出すことができる。


2つのモデルの起源は1953年まで遡る。後にC1と呼ばれるようになった第一世代のデビュー年だ。そもそもコルベットはスポーツカーの存在しなかったアメリカにそれをつくろうという目的で生まれた。発想の元になったのは英国製スポーツカー。MGやトライアンフといったブランドのモデルだ。第二次世界大戦後、ヨーロッパで戦ったGI(米兵)がそれをアメリカに持ち帰ったり、存在を知りその後輸入したりして乗っていたらしい。メーカーはその走っている姿を目にしてスポーツカーの開発に踏み切った。となると、コンバーチブルが初めから計画されていたというのは辻褄があう。英国の2シーター・スポーツはほぼ屋根開きだからだ。ちなみに、英国ではオープンカーは冬の乗り物として認識されている。サッカーが冬のスポーツであると同じように。屋根を開け爆撃機の乗員のごとくボマージャケットの襟を立てて乗るのが、正しいスタイルとなる。 



といった生い立ちを持つコルベットなので、スパイダーやロードスターなどと呼び方は違ってもコンバーチブルがラインナップされるのは何ら不思議ではない。たとえ主戦場がサーキットであってもコルベットにとってオープントップ・モデルは不可欠なのだ。 

ただ屋根の開き方は時代によって変化する。コルベットでは趣たっぷりの幌型はすでに過去のものとなり、閉じればクーペと変わらないハードトップへとスイッチしている。まぁ、そこはGTカー的な使われ方がメインだったのと本格的スポーツカーに進化したのとの違いだろう。イタリア製スーパーカーを横目で見ても、その傾向は強いようだ。



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