都会の夜のオープンドライブにピッタリなメルセデス・ベンツCLE200カブリオレ・スポーツ。
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                    素晴らしい剛体感ひと通り確認したら、いよいよ走り出すことにする。まずはソフトトップを閉じたままで出発だ。
思わず唸らされたのがクーペに何ら遜色ない密閉感、そして剛体感とでもいうべき感触である。オープンカーにしてはという前置詞はもはや不要。閉めておけば、クーペそのままの質の高い乗り味を満喫できる。

それはフットワークの良さにも繋がっていて、操舵に対する反応は正確そのもの。車体は重くなっているものの特にそのネガを意識させることなく、クルマ全体がひとつの塊になったような一体感で旋回していく。
2リッターターボエンジンは最高出力204psと、スペック的には特筆すべきものはない。けれど、これまた数値以上の活気が感じられるのは、ひとつは電気モーターにより23psをアドオンするISGの力であり、もうひとつは意外や勇ましいサウンドを奏でる吹け上がりのおかげだろう。

そうやって走りを楽しんでいたら、陽が落ちてきた。そろそろオープンにするタイミングである。
周囲の暗さの中で一層際立ってくるのが内装のイルミネーションの華やかさだ。各部のトリムやスイッチパネル、エア・アウトレットなどに仕込まれたアンビエント・ライトは、もはや室内ではなく外界と繋がったインテリアをムーディに演出する。
そうなると、さすがに人目を惹いてしまうが、心配は要らない。カラーは控えめなトーンのものも含めて、64色に切り替えられる。
オープンにして改めて実感させられるのが、ボディ剛性の高さである。こうしたホイールベースの長いオープンカーには付き物の、前後の位相がずれるような感覚が皆無で、分厚い大理石の板の上にでも乗っているかのようなのだ。路面の悪いところでも、馬脚を現すことはない。
室内への風の巻き込みは、開口部の大きな4シーターということで小さくはないが、CLEカブリオレにはエアキャップがある。フロント・スクリーン上縁とリアのウィンドディフレクターが立ち上がって、巻き込みを驚くほど軽減してくれるのだ。
この状態は見た目が今イチなのが難点だが、それも夜なら目立つことはない。これもまた、夜のオープンカーのメリットとして挙げておこう。
暖房もよく効く。シート内蔵のアウトレットから首元に温風を吹き出すエア・スカーフも標準装備。今はまだ無くてもいいが、これがあれば真冬でもきっと快適だろう。
これだけ艶やかなクルマだけに、信号待ちなどで停止した際には周囲の視線を感じないこともない。けれど冒頭に記した通り、走り出してしまえばそれらもすぐに闇に紛れ、自分だけの楽しみに没頭できる。あるいは隣に誰かを乗せていても、ワル目立ちすることはないはずだ。
やっぱりオープンカーで出かけるならば夜に限る。しかも、冬はもうすぐだ。メルセデス・ベンツCLE200カブリオレ・スポーツを楽しむのに最高の季節がやってくる!
文=島下泰久 写真=茂呂幸正
■メルセデス・ベンツCLE200カブリオレ・スポーツ
駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4850×1860×1425mm
ホイールベース 2865mm
車両重量 1900kg
エンジン形式 直列4気筒DOHCターボ
総排気量 1997cc
最高出力 204ps/5800rpm
最大トルク 320Nm/1600~4000rpm
変速機 9段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
      (後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ (前) 245/40R19
    (後) 275/35R19
車両本体価格 936万円
(ENGINE2025年1月号)
                    
                        
                                            
                    
                                            
                                                                
                    
                 
             
            
            
            
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