2025.01.29

CARS

ヤフオク7万円のシトロエン、液漏れに一喜一憂したり、貴重な並行輸入車に乗る先輩を訪ねたり…… シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#60

借り物の後期型エグザンティア用ホイールとスタッドレス・タイヤを履いて都内の某駐車場にたたずむリポート車。タイヤ・サイズは185/65R15でオリジナルと変わらないが、10スポークのホイール・デザインのせいか、いささか径が大きく見える。

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ヤフー・オークションで7万円のシトロエン・エグザンティアを手に入れ、10カ月と200万円を投じての大規模修復をするも、走りながら次々とトラブルに見舞われ、さらに80万円以上をつぎ込んでいるエンジン編集部ウエダによる自腹散財リポート。今回は怪しい液漏れに焦って右往左往したり、希少な並行輸入のエグザンティアに乗る先輩のもとを訪れた模様をお届けする。

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現れた黒い薄い染み

エンジン・オイルにオートマチック・フルード、それにLHMといった具合に油脂類を一通り交換し、しかも車体はコーティング済みでピカピカ。おまけに足元は少々古めで借り物とはいえ、凍結路や積雪も安心のスタッドレス・タイヤだ。よーし、これでどこにだって行けるぞ、と思っていた2024年1月に話はさかのぼる。



リポート車は定期的なメンテナンスを施してはいるとはいえ、2024年で28年オチという立派な年代ものだ。そのため朝一番の始動前には、エンジン・オイルにクーラント、そしてハイドローリック・システムを持つシトロエンの血液ともいえるLHMの量は、できる限り確認することにしている。

加えて、いきなり突き抜けてしまうラバー製のストラット・アッパーマウントのことも忘れてはいけない。ヒビ割れなどが進んでいないか、ボンネットを開けての健康状態のチェックは欠かせない。ちょっと旧いクルマを日頃から常用するには、こうした気配りと、時に先回りする予防整備が大事なのである。

この日の朝も、いつも通りエンジン・ルームの目視を済ませ、さぁ出かけようとクルマに乗り込もうとしたのだが、一瞬、あまり見たくないものが視界の中に入った気がした。なんと車体の右前、月極駐車場のコンクリートの床の上に、昨日まで確かになかったはずの、黒く薄い染みがあるではないか……。



ドキリとしたが、エンジン・オイルやオートマチック・フルードが漏れるにしては、少々場所がおかしい。位置的に怪しいのはクーラントの入っているタンクだが、これはさっきキャップを外して、中の水量を見たばかりである。



フロント右側のホイールハウスの奥からエンジン・ルームをのぞき込んで見ると、白いタンクのあちこちが緑色っぽい液体で濡れ、さらに乾燥して固まった跡が見つかった。やれやれ、どうやら漏れたのはウインドウ・ウォッシャー液のようである。

以前タンクを固定するバンドが劣化でゆるみ、凹凸のある路面にさしかかるとゴトゴトと音を立てていたので、組み直したところだ。揺すってみてもタンク自体はまったく動かないが、下の黒い部分から液がしたたってきた……。



ついこの間ホースを接いだLHMがまた漏れた? と焦っていたのでまずはホッとしたものの、もちろんウォッシャー液だからと放っておくわけにはいかない。

タンクの下部にはポンプが付いており、車内のレバーを操作するとこれが作動して窓に液を噴射する仕掛けだ。ポンプとホース部分を繋ぐゴム部分の劣化が原因のように見えたのだが、カークラフトで脱着してみると、ポンプそのものから液が漏れ出していた。どうも安売りの粗悪なウォッシャー液の中には、シール材を侵してしまうものもあるそうだ。ウインドウ・ウォッシャーは乗り手によって使用頻度がけっこう差の出る装備だが、長年使っていないと、やはりずっと浸されているタンク下部など、傷んでしまうこともあるらしい。



たしかに僕はけっこう頻繁にウォッシャーを使いがちなので、まさに安価な液をどんどん入れていたのだが、これがとどめとなったようだ。幸い漏れる量は少なめだったし、交換用に取り外した部品取り車のアクティバのポンプも、まだまだ綺麗で使える状態だった。入れ替えると漏れは止まり、ウォッシャー液もちゃんと噴出するようになった。

28年間まったく手を入れていないところが壊れるのはさすがに仕方がない。とはいえ、今後はきちんと性能を発揮する、適切な価格のウォッシャー液を入れるようにしよう、と考えを改めた次第である。

作業の明細は以下の通り。詳細は写真ギャラリーを参照のこと。
※部品や消耗品の価格などは2024年1月末時点のもの

・ウォッシャー・タンク下部ポンプ交換 4,800円
(部品取り車アクティバよりタンク流用のため部品代なし、ウォッシャー液 2リットル 300円)

合計 5,100円

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