2025.01.29

CARS

ヤフオク7万円のシトロエン、液漏れに一喜一憂したり、貴重な並行輸入車に乗る先輩を訪ねたり…… シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#60

借り物の後期型エグザンティア用ホイールとスタッドレス・タイヤを履いて都内の某駐車場にたたずむリポート車。タイヤ・サイズは185/65R15でオリジナルと変わらないが、10スポークのホイール・デザインのせいか、いささか径が大きく見える。

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クルマ好きなら必見の23年の歴史

第57回のリポートで、リトアニアにあるストラット・アッパーマウントをリビルドする会社と、僕より前にやりとりをしていた先輩のことを紹介した。このひとのエグザンティアは、初期型で左ハンドルかつ5段MTという、日本ではとびきり珍しい1台である。かつて大阪の並行輸入専門店が国内へ持ち込んだ個体で、本当に長い間、ひとりの持ち主に可愛がられてきた。



なぜそんなことを知っていたかというと、2001年にこの個体の入手を検討しているところから、2024年に手放すことを決めるまで、なんと23年近くに渡る記録が、ウェブサイト上で残されているからである。

いわばこの持ち主は、同じようにリポートを書いている僕にとって大先輩というわけだ。ずっといち読者としてこの希少な本国仕様車の記録に目を通し、常々更新を楽しみにしてきた。ストラット・アッパーマウントをはじめ、部品の個人での輸入先や、ハイドローリック・シトロエンの弱点である分岐が多くすでに欠品のLHM配管の対策、頼れる専門店などなど、この記録から知ったことも数多くあった。



ところが2023年12月末、なんと「手放すことにしました」というタイトルで最新の記録がアップされたのだ! クルマの状態と、予備のパーツ群が記されており、「引き継いでいただける方を探そうと思います。関心のある方はいらっしゃいますか?」と続いている。……次の瞬間、僕は連絡を取るべくメッセージを送っていた。

エグザンティアに惚れ込んでいる身としては、日本の公道で走れるナンバープレートを取得した本国仕様車が売りに出るなんていうのは、ものすごいニュースなのだ。近頃の為替レートや排出ガス規制を考えると、新たに並行輸入でエグザンティアを上陸させようとすると、そうとうなコストと手間がかかる。まして、これまでの整備のヒストリー、例えばストラット・アッパーマウントやLHM配管などの交換履歴がすべて分かっている個体となど、そうそう出会えるはずもない。この機会を逃してはいけない。





この固体の持ち主のHさんは、ありがたいことに僕のリポートにも目を通してくれていたそうで、すぐクルマの仕様について詳しく教えてくれた。前々から知ってはいたが、ブルー・モーリシャスというボディ・カラーも、青い格子柄のシートや内装も、すべて僕のエグザンティアと同じだった。サスペンション・システムも同じハイドラクティブ2だという。





違うのは型式がXC10J4となる2リットルDOHC16バルブのパワーユニットと、ハンドルの位置が左になることと、5段のマニュアル・トランスミッション。正規輸入された日本仕様とは、ドライブシャフトの径やブレーキ(の容量が後期型と同等)も異なるという。最高出力155psを発揮するDOHC 16バルブ・ユニットは、プジョーの405Mi16や、前期型の306S16と同じものだそうで、リポート車の120psほどのSOHC 8バルブに比べて遙かにパワフルである。





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