2025.02.05

CARS

ヤフオク7万円のシトロエン、大量下血でまたしてもレッカー車を出動要請! シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#61

通算4度目となるレッカー車による緊急搬送。さすがにENGINE本誌〆切明けの疲れ切った身体には、肉体的にはもちろん、精神的にも厳しいものがあった……。

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あくまでも自己責任

当然だが、もしハイドローリック・シトロエン乗りでLHMホースの修復に苦労している人がこのチューブフィッティングを用いる場合は、製造会社への問い合わせなどはご遠慮頂きたいと思う。使う時は、あくまでも自己責任。今回の僕もまた実験台であり、いわば人身御供なのである。




まず同社のホームページのおかげで、使用を検討していたチューブフィッティングの内部シール材は、NBR(ニトリルゴム)であることはすぐわかった。さらに大輔さんはイタリアの石油・ガス会社のeni(エニ)社のウェブサイトから、LHMがNBR(ニトリルゴム)、HNBR(水素化ニトリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)という3種のシール材を侵さないことを確認。これならイケるかも、ということで、使用予定のポリウレタンのチューブともども、まず実際にチューブフィッティング内にLHMを流すテストを実施した。

詳細については写真とキャプションを参照して欲しいが、最初のチューブフィッティング内にLHMを浸し、加圧するテストだけでなんと丸4日間を要している。さらには接続部のシール材の浸漬テストは20時間をかけて行った。事前の情報収集の結果通り、NBR(ニトリルゴム)のシールは体積も形状も変化なしだったが、別途用意したEPDM(エチレンプロピレンゴム)のシールは見事に膨張してしまい、将来的な漏れの原因となるのが分かった。



これらに加え、全ホース配管の長さや径の計測に至っては、どれほど時間がかかったか。いやはや想像もつかない。

チューブフィッティングは様々なバリエーションがあるとはいえ、それをどう選び、どう使って組み合わせていくか。ひたすら試行錯誤が必要だ。サイズを1つ1つ検討して入手し、実際に車両やオリジナルのホースと見比べて組み立て、また必要なフィッティングやチューブを収集していく。

地道だが、とても重要で細やかな、素晴らしい手仕事だと思う。このリターン・ホースの引き直しについての詳細は、次回以降にて紹介したい。



だが、ようやくカークラフトで配管の仮組みまでテストが進んだまさにその頃、事件は起こったのだった……。

それは2月の半ば、バレンタインを過ぎたあたりのこと。それまでわずかなLHM漏れこそあったものの、〆切のまっただ中で動けないオーナーを察してくれたのか、それともただの偶然か、リポート車の出血は小康状態を保っていた。

しかし、ちょうどENGINE本誌校了直後の朝9時。始動直後からの大量の下血が発生。駐車場の床は、緑色で染まった。

こうして僕は、都合4度目となる緊急搬送の要請をすることになった。この時はカークラフトのテストの状況を詳しく知らなかったので「あぁ、まったく何やってんだろな、僕は」とかなり落ち込んだのだったが……。

次回はこの救出劇の顛末と、様々なアイデアを駆使したLHM配管の新規作成についてと、さらに大規模修復後、初となる車検についても報告する。

■CITROEN XANTIA V-SX
シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2024年2月時点までの支払い総額は287万7353円)
導入時期 2021年6月
走行距離 18万4305km(購入時15万8970km)

文と写真=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=カークラフト

◆エンジン編集部ウエダのシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート連載一覧はコチラ
ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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(ENGINE WEBオリジナル)

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