2025.05.03

CARS

「私も欲しくてたまらない!」と西川淳(自動車評論家)が5台の注目輸入車に乗って絶賛したクルマとは? 

西川淳さんが乗ったのは、メルセデス・マイバッハEQS 680 SUV、キャデラックXT4、ヒョンデ・アイオニック5ラウンジ、BYDシールAWD、BMWアルピナB3 GTの5台

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BMWアルピナB3 GT「とりあえず買おう!」

畏れ入りました! 動き出した瞬間から舗装の荒れた西湘バイパス、数々のスーパーカーで走り尽くした箱根ターンパイク、そして国道1号線まで、実用車としてのトータル・バランスではU2000万円マーケットにおいて最高の一台だ。

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BMWアルピナB3 GT

助手席のEPC会員も走り出した途端に乗り心地のよさに驚き、タイヤの見事な転がりに感心した。ブッフローエ最後、ボーフェンジーペン最後といったマニア垂涎の“謳い文句”も霞んでしまう。特に有料道路を優雅に流したときと、ワインディングロードを果敢に駆け上がったときの気持ちよさと言ったら! 前者はまるでコンパクトなロールス・ロイス風の滑らかさだったし、後者ではハコのスポーツカーかくあるべしといった豊穣なハンドリングがあった。

そのうえM謹製Sエンジンの回転フィールが胸をすく。遠めから聞こえるサウンドが耳に心地よい。アルピナでGTといえば究極を意味する。つまり最後の究極。周りのクルマ好きにはとりあえず買っておけと勧めている。もちろん、私も欲しくてたまらない。

「先駆者には敵わない」西川 淳から見た、いまのガイシャのここがスゴい!


大磯ロングビーチの朝7時半。ガイシャが大挙し整列する光景を見て満面の笑みとならないクルマ好きはきっといまい。毎年のことながら眺めているだけで清々する。朝日をまともに受けた逆光シーン、最前列のスーパーカー以外に車種の判別も心許ない状況で、個々のモデルからは日本生まれには決して出せない、そして陽光に負けない強い光が発せられていた。

カラーやスタンス、スタイリング、プロポーションといった表層的な違いに加えて、遥々海を越え日本の好き者たちのためにやってきたという骨太な存在感がその源だ。哲学があると言い換えてもいい。自ら語る力を秘めているからこそ、自動車大国の日本にあっても各々の個性が際立って見えてくる。

だから乗ってみたい、手に入れたいと思わせる。たとえ港区でしょっちゅう見かける人気のドイツ車であっても、港区民は惹かれ続けるわけだ。先駆者にはやっぱり敵わないんだよなぁ(嘆)。

文=西川 淳

(ENGINE2025年4月号)

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