2025.05.04

CARS

「商用車ベースのミニバンとは一線を画したサス・チューン」と武田公実(自動車評論家)が絶賛したクルマとは? 注目輸入車5台イッキ乗り!

武田公実さんが乗ったのは、マクラーレン750Sスパイダー、シトロエン・ベルランゴ・マックス、DS 3オペラ、BMW X3 M50 xドライブ、ベントレー・ベンテイガEWBマリナーの5台

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ベントレー・ベンテイガEWBマリナー「長尺モデルとは思えない」

EWBはホイールベースを伸ばしたことを意味する。550psを発生するV8ツイン・ターボの恐るべきトルクのもたらすスピード自体は、標準型ベンテイガからホイールベース/全長が180mm、重量が約100kg増加しても大きくは変わらない。

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たしかに箱根ターンパイクでちょっと頑張ってみると、リヤ側が若干重くなったようにも感じられるが、それでもショーファードリヴンを目的とした長尺モデルとは思えないコーナーワークには、スゴイという感想以外出てこない。

ベントレー・ベンテイガEWBマリナー

その傍ら、COMFORTモードを選んだ際に感じられる、フワリとした加速感やロールのお行儀の良さにはファンタム6など、英国クルー工場で生産されていた時代のR-Rを連想させる。

クルー工場は、現在ではベントレーの本拠となっているのだが、その精神を受け継いだエンジニアたちが、ショーファーカーという分野に対して真摯に取り組んだ成果が感じられた。この、新しい正統性に怯むことなく挑もうとする精神に「スゴイ」という賛辞を贈りたいのだ。

「スゴすぎる!」武田公実から見た、いまのガイシャのここがスゴい!

今回のメインテーマである「このガイシャのここがスゴイ!!」について、ガイシャ・コクサンを問わず、自動車に関するテクノロジーが飛躍的な進化を遂げる真っ只中にある昨今は「スゴイ」が恒常化、あるいはスゴくないといけないような空気感さえ感じられる。

その一方で、電動化やコモディティ化により、クルマの均質化も進行。ブランド間の特質や個性のアピールが、依然と比べると困難なものとなっている。

そのような状況にあって、それぞれのブランドが長年培ってきたキャラクターや、我々のごとき面倒くさいタイプの自称エンスーが「こうあってほしい」と思うドライブフィールをどこまで継承、あるいは再現できているか……? 今回はそんな視点のもとに、5台のガイシャを楽しませていただくつもりだったのに、いざ試乗に入るとそれぞれ面白くて、ついつい「スゴイ、スゴイ」と連発してしまったのである。

文=武田公実

(ENGINE2025年4月号)

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