2025.03.31

CARS

6.5リッター V12エンジンの咆哮を聞けば、全人類の理性が吹っ飛ぶ フェラーリ・プロサングエ フェラーリの魂はエンジンにある!

フェラーリ・プロサングエ/サラブレッド=純血を意味する車名のプロサングエは、フェラーリ史上初の4ドア4シーターGT。ドライサンプ式6.5リッターV12をフロント・ミドシップに搭載し、長いノーズに長いホイールベース、短い前後オーバーハングを持つ。

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今年もやりました2025年版「エンジン・ガイシャ大試乗会」。大磯プリンスホテルの大駐車場に集めた注目の総勢33台の輸入車にモータージャーナリスト33人が試乗! 各メーカーがこの上半期にイチオシするそれぞれのニューモデルに5人のジャーナリストが試乗した、計165本の2025年注目輸入車の試乗記を順次公開。

フェラーリ・プロサングエには、嶋田智之さん、斎藤聡さん、渡辺敏史さん、山田弘樹さん、清水草一さんが試乗。今回は山田さん、清水さんの「ここがスゴイ」リポートをお届けする。



「ただただ圧倒されるばかり」山田弘樹

筆者は今回が“初プロサングエ”だったのだけれど、往復40km足らずのチョイ乗りでは、ただただその質感に圧倒されるばかりだった。

2mを28cmも超える全幅には多少気を遣ったが、とにもかくにも運転しやすい。足回りにはフェラーリ特有のソリッドさがあるけれど、呆れるほどに強靱なボディと4WDのトラクションが、その硬さを見事に抑え付けており、直線では矢のように走り、ハンドルを切り込めば超がつくほど正確にラインをトレースしてくれる。



その引き締まった乗り味に対して6.5リッターの排気量を持つ自然吸気のV12はすこぶる従順で、調教が行き届いた現代のV8ツインターボよりもさらに扱いやすい。

欲を言えばもう少しその吹け上がりにクーペモデルたちのような強烈さが欲しいところだが、それこそが門外漢のたわごとなのだろう。

V12をマイルドに躾けたからこそプロサングエは、毎日乗れるSUVたり得るのだ。そしてこれを、雨が降ろうが跳ね石を食らおうが、躊躇なく乗り倒すことが、最高の贅沢なのだとため息をつく。

全長×全幅×全高=4973×2028×1589mm。ホイールベース=3018mm。車両重量=2210kg。車両価格=5371万円~。

「全面的に肯定」清水草一

フェラーリの魂はエンジンにある、と信じている。

フェラーリ・エンジンさえ積まれていれば、車体はトラックでもいい、と30年以上前から考えていた。もちろんセダンでも4ドア・スポーツでもSUVでもなんでもいい。美しければそれでいい。

世間的には、プロサングエはSUVと見なされており、「フェラーリよ、お前もか」的に評されることもあったが、6.5リッター V12エンジンの「フアアアアア~ン」という咆哮を聞けば、全人類の理性が吹っ飛ぶ。その瞬間に、ボディ・タイプへのこだわりなど無意味であることを知るだろう。



しかもプロサングエは、絶対的なトラクション性能によって、いつでも思う存分アクセルを踏み込み、フェラーリV12の本気サウンドを絞り出すことができるのだ。それ以上何を望むだろう。

もちろんこのクルマは、フェラーリにとっては余技だ。余技だからこそ、独創的なリア・ドア構造をはじめ、あらゆる点を全面的に肯定できるのである。

■フェラーリ・プロサングエ
サラブレッド=純血を意味する車名のプロサングエは、フェラーリ史上初の4ドア4シーターGT。ドライサンプ式6.5リッターV12をフロント・ミドシップに搭載し、長いノーズに長いホイールベース、短い前後オーバーハングを持つ。ツインクラッチ式8段自動MTで4輪を駆動する。全長×全幅×全高=4973×2028×1589mm。ホイールベース=3018mm。車両重量=2210kg。車両価格=5371万円~。

写真=茂呂幸正

(ENGINE2025年4月号)

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