2025.05.18

CARS

「乗り心地はロマンスの神さま」と今尾直樹(モータージャーナリスト)がうっとりした意外なクルマとは? 上半期注目の5台の輸入車にイッキ乗り!

今尾直樹さんが乗ったのは、アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ、フォルクスワーゲン・ティグアン、ポルシェ911カレラ、ロータス・エメヤR、レンジローバー・スポーツの5台

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レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーP550e「価値観が異なる」


ロータスの電気GTから乗り換えると、こちらは伝統とモダンのほどよい折衷に感じられ、少々ホッとする。

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いざ、アクセルをじんわり踏むと、EVと変わらぬ静かさで走り出す。電池の残量は3%、EV航続可能距離1kmなれど、PHEVのデファクトはEV走行だから、である。

レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーP550e

西湘バイパスへの合流地点でアクセルを踏み込むと3リットル直6ターボが目覚める。22インチの大径ホイール&タイヤを装着する分、乗り心地は少々SUVっぽい。たまさか横風が強いので、速度を控えめにする。

ポカポカ陽気で室内は暖かく、青い湘南の海を左手に眺めながらゆったり走る。そのうち高い視点とSUVっぽいと感じた乗り心地に慣れてきて、なんとも気分がよい。飛ばすだけが能じゃない。と思うと、ますます気分は最高。ぼかぁ、幸せだなぁ。

車名の「スポーツ」は「運動競技」のことではなくて、「気晴らし」の意にちがいない。ドイツ的なるものとは異なる価値観。スゴイのはそこだ。

「ガイシャはスゴイだらけです!」今尾直樹から見た、いまのガイシャのここがスゴい!

いまも昔も、ガイシャってのは国産車より技術的にも思想的にも進んでいる。と筆者は思う。ロールス・ロイス・スペクターとBYDシールAWDなんて、EVなのに箱根ターンパイクまで5回も往復していた(たぶん)。そんなことができるEVが国産でありますか?



12気筒のイタリア勢が健在なこともスゴイ! 12気筒のスーパーカーが国産でありますか?

ケータハム、モーガンのイギリスの少量生産スポーツカーが生き延びていることもスゴイ! なぜ国産で、こういうクルマがつくれないのか? ケータハムなんてエンジンはスズキなのに……。

シボレー・コルベットがミド・エンジンになったのも、ロータス・エメヤRもスゴイし、ヒョンデとBYDの躍進もスゴイ! 21世紀になって、これほど成長した自動車会社は日本にはない。ガイシャは、いつだって世界の変化、変容を教えてくれる。おまけに運転していて楽しい。スゴイだらけです。

文=今尾直樹

(ENGINE2025年4月号)

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