2025.04.02

CARS

スポーティネスこそポルシェ 開発統括のミスター・マカンがEVになった新型マカンの魅力を語る

最新の800Vアーキテクチャを備えた新開発の「プレミアム・プラットフォーム」エレクトリック」(PPE)をもつフル電動SUVとして2024年にワールドプレミアを飾った新型ポルシェ・マカンのジャパンローンチが、3月28日に行われた。

まさに規格外

会場となったのは東京・芝にある大本山・増上寺。徳川家康ゆかりの秘仏「黒本尊」を祀る「勝運の仏様」として600年以上の歴史を誇る寺院である。そんな由緒ある場所を使って行われたジャパンローンチは、ポルシェの新型マカンにかける意気込みが感じられる、まさに規格外のものだった。



岡西佑奈氏のパフォーマンス

まず黒門の先に広がっていたのは、20台もの新型マカン・オーナーのクルマたち。それだけで圧倒されてしまうのだが、そのまま大殿に導かれると、なんと背景にそびえる東京タワーともども、会場が新型マカンのコミュニケーション・カラーである「プロヴァンス」にライトアップされたのだ!

そして“和太鼓DUO輝日”の2人による演奏で幕が上がると、初代マカン・オーナーであり、東京マラソンの先導車を務めるタイカンのボンネットの書も手がけた書家/アーティストの岡西佑奈氏がパフォーマンスを披露。マカンの「曲線と直線のバランス」に魅せられたという言葉を表すかのように、金色の文字で『雅 - electric - 』という作品を書き上げた。



ミスター・マカンが来日

続いてポルシェジャパン・マーケティング&CRM部のダニエル・フォイヒト執行役員、同プロダクト&サービス部の藤井隆行執行役員、ポルシェAG 東アジア担当マネージャーであるセバスチャン・ホーゼル氏、ポルシェジャパン・プロダクトスペシャリストの山田レン氏が登壇。新しくなったマカンの概要、そしてそこに託す想いを披露した。

そして新型マカンの開発を統括した“ミスター・マカン”の異名を誇るポルシェAG マカン製品ライン統括責任者のイェルク・ケルナー氏が登場。プロヴァンスに彩られた「マカン4」、そしてアイスグレーメタリックに彩られた「マカン・ターボ」の前で、開発の秘話を披露してくれた。ガソリン・エンジンのECU開発のキャリアを活かし、2011年にポルシェAGに入社したケルナー氏は、内燃、電動問わず、一貫してパワートレインの開発に携わってきたそうだ。



EV専用の新型プラットフォーム、PPEを採用

「新型マカンの開発が本格的にスタートしたのは2018年からですが、その以前から構想を練っていましたが、まったく新しいプラットフォームをどうしようか、と真剣に取り組んだのは2018年からになります」

アウディとの共同開発による800Vアーキテクチャを備えたEV専用のプレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)に総容量100kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載。そして前後アクスルに最新世代の永久励磁型PSM電気モーターを配置した4WDである新型マカンに408psの「マカン4エレクトリック」と、639psを誇るハイパフォーマンス版の「マカン・ターボ・エレクトリック」が用意されるのは、ご存知のとおりだ。



従来型から受け継がれたものは?

では大成功を収めた内燃機時代のマカンと、新しいEVのマカンとの間に「受け継がれたもの」とは何だったのだろうか?

「受け継いだのはスポーティネスです。それも電動化によってさらに向上しました。例えば加速に関していうとマカン・ターボ・エレクトリックの0-100km/h加速は3.3秒。0-200km/h加速は11.7秒。一方、内燃機のマカンGTSはそれぞれ4.3秒、17.9秒です。このように両車はまったく異なるものですが、共通するのはスポーティネスです。それこそがポルシェなんです」



安心して長距離ドライブも楽しめる

そしてこう付け加える。

「新しいプラットフォームがもたらす低重心で卓越したドライビング・ダイナミクスと、瞬時にパワーをデリバリーする電気モーターによって、レスポンスの良さ、そしてドライビングの楽しさを味わえる。しかも最大で644kmの航続距離を備えているので、デイリーユースはもちろん、安心して長距離ドライブも楽しめるのです」

またエンジンなどのパワートレインがなくなったことで、エクステリアのデザインに自由度が増したこと、そしてトランスミッション・トンネルがなくなったことで、床がフラットになり、後席のレッグルームも拡大するなど、室内空間が広くなり、理想的なドライビング環境が構築できたことも、電動化されたマカンの大きな特徴だとケルナー氏は話す。

ケルナー氏によると、このプラットフォームは電動化される時期「カイエン」などにも活用されることになっているという。

果たして新型マカンで新たな道を切り拓いたポルシェに「勝運」が宿るのか? その答えはそう遠くない未来に現れることになりそうだ。



文=藤原よしお

(ENGINE WEBオリジナル)

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