2025.05.17

CARS

【動画公開中】フェラーリの認定中古車にサーキットで試乗してきた! フェラーリにいますぐ乗りたいならアプルーブドカーという手がある!

初めてフィオラノ・サーキットを走る。少々緊張気味の筆者。

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フェラーリの品質要件

多くの場合、ディーラーが下取りした車両が認定中古車になると思うが、そこで重要になるのが、その車両がフェラーリが定めた品質要件を満たしているかどうかだろう。今回の説明会ではフェラーリ・アカデミーのピットでデモンストレーションが行われたが、実際の作業は各国の正規ディーラーで本社が定めたチェック項目に従って行われる。チェックが必要な項目は200を超えるというが、そこで最も重視されるのはその車両がオリジナルかどうかだ。

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すべてのフェラーリ車は製造時にデータベースで管理され、エンジンやギアボックスなどの主要部品の製造番号も記録されている。オリジナルかそうでないかは番号のマッチングですぐにわかるという。また、走行距離も優先順位の高い確認項目のひとつだ。

「たとえば走行距離は、1万km以下かそうでないかが価格に大きく影響するので注意が必要です。整備する車両は公式ネットワークに入るたびに走行距離を記入しなければなりませんが、万一履歴と比べて非常に距離が多かったり、逆に少なかったりしたときはアラームが点灯します。その場合はダッシュボード内部の車載システムを確認し、何が行われたかを明らかにします」

スコレッティさんによると、まずは履歴を参照しながら不明箇所をあらい出すことが重要で、本社の認証なしに取り付けられたもの、たとえばアラームのシステムやスポイラーなど、制御系や車両の挙動に悪影響を及ぼすものなども取り外し、オリジナルの状態に戻す作業が行われる。

フェラーリの品質要件には、もちろんエクステリアや室内の状態が良いことも含まれており、必要に応じた補修作業も行われる。デモンストレーションで見たボディのチェックは、ぱっと見ではわからないほど小さな傷も見落とさないような丁寧な作業で、まるで新車の塗装チェックのようだと思ったほどだった。



今回の説明会では、なんと整備済みの認定中古車に試乗することもできた。しかも走らせてくれたのはフィオラノのテストコースである。中古車と言ってもそこはフェラーリだ。どんなクルマに仕上がっているか、実際に確かめてみてくれというわけだが、これが素晴らしかった。

市場車はSF90ストラダーレと296GTBが用意されていたが、私が乗ったのは296GTBだ。考えてみればフェラーリに乗ったのはポルトフィーノ以来。296GTBも初めてならフィオラノを走るのも初めて。いや、フェラーリでサーキットを走ること自体が初体験だ。



横にテストドライバーを乗せての試乗だったが、最初のコーナーを曲がったとたん、こんなに軽快なのかと驚いた。ハイブリッドで830馬力もあるのだから、アシもガッチガチに固めてあるのかと思ったら、突っ張った感じがまったくない。ステアリングも軽く、驚くほど運転し易い。これはいい。素晴らしくいい。望外な体験だった。

フェラーリに乗るのはお金や手間暇のことを考えると確かに大変なことかもしれない。しかし、費やした手間暇以上の喜びが待っているのも間違いない。保証込みのフェラーリ・アプルーブドは、フェラーリでしか体験できない特別な世界に憧れるクルマ好きにとっては最適な最初の一歩ではないだろうか。

文=塩澤則浩(ENGINE編集部) 写真=フェラーリS.p.A



【エンジン TV】フェラーリ中古車の整備とフィオラノのコースでの試乗を動画でチェック!

(ENGINE2025年6月号)
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