2025.06.10

CARS

いいものは高い! 1420Nmの大トルク、メルセデスAMG GTに試乗! 乗りやすさにビックリ!

メルセデスAMG GT 63S Eパフォーマンス・クーペ。

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いつの間にかエンジンが

当たり前のことだが、電気モーターだけの走りは、とにかくスムーズである。ドンっと踏み込みでもしない限りは、乱暴な挙動などまったく顔を見せることもない。しかし、スルスルと箱根に向かう坂道を登り始めながら驚いたのは、いつの間にかV8エンジンに火が入っているのに、まったく気づいていなかったことである。そこからメーターをよく観察しながら走ってみると、フツーに走っているとかなり頻繁にエンジンがオンオフを繰り返しているのだが、その切り替わりが、まるでわからないくらいにスムーズなのだ。フロントに縦置きされる639ps、900Nmのパワー&トルクを発揮する4リッターV8ツインターボユニットには、メルセデスお得意のベルト・ドライブ・スターター・ジェネレーター(BSG)が付いているが、これがこのスムーズな切り替えを実現しているようだ。

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スムーズなのはパワートレインだけではない。路面状況を常にセンシングしながら硬さを自動制御するGT専用の油圧式サスペンションの乗り心地も硬すぎず柔らかすぎずの絶妙な乗り心地をもたらしている。さらに、山道を走り出して舌を巻いたのはハンドリングの良さで、リアステア・システムもかなり効いているのだろうが、ニュートラルに思った通りのラインでコーナリングできるから、安心感が極めて高い。その後、高速道路も少し走ったが、直進安定性も抜群だった。とにかく、どんな状況でも乗りやすいのが驚異的で、これが1420Nmの超ド級トルクを持ったモンスターマシンだなんて、そんな素振りはまるで見せないのだ。

もっとも、今回は大雨の中での試乗だったから、ジキル博士の面ばかりで、ハイド氏は顔をださなかったのかもしれないが、それにしてもクルマが持っている素性の良さは、変わりようがあるまい。価格は3315万円。いいものは高いのだ。

文=村上 政(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

(ENGINE2025年7月号)

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