2025.08.17

LIFESTYLE

小さくても人生が豊かになる家のつくり方 60平方メートルしかない平屋なのにこの広さはほんとに素敵!

床面積で言えば以前住んだマンション時代よりも少し広くなった程度だが、4mある天井の高いリビングルームは本当に気持ちがいい。

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数珠つなぎの間取り

大抵の場合、敷地が決まってから家の設計に取り掛かるが、土地探しを始めた時は既に骨格ができあがっていた。基本は、玄関からダイニングルーム、キッチン、リビング、寝室と、それぞれの部屋を必要なサイズのブロックにし、数珠のようにつなぎ合わせた家だ。

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敷地はこの設計プランに合わせて検討され、随分と探した末に今の場所に決まる。登山で山梨・信州方面に出かける際は、以前の場所よりも1時間近く節約できるエリアだ。心配したのは、駅から家までの、徒歩15分の道のりの大半が急な上り坂なこと。それを、「毎日登山のトレーニングができる」と前向きに考えた。広さはおよそ170平方メートル。希望した庭も、たっぷりとれるサイズだ。

メイン空間であるリビングルーム。天井高は4m。逆アーチ状になった天井には照明器具など存在せず、外光を美しく拡散させる。ソファーの座面高は30cmと低く、寛いだ姿勢で掛けることができる。正面の窓の位置は低い。

完成した家は、床面積で言えばマンション時代よりも少し広くなった程度だが、4mある天井の高いリビングルームは本当に気持ちがいい。全ての部屋から庭が見えるのも、この家の魅力のひとつだ。造り付けのソファーが低い位置にあり、目線の高さにある窓の向こうに緑の庭が広がっている。どれも一軒家でなければ実現できない空間だ。もっとも大空間と感じたリビングが、実は8畳も無いのには驚いた。

どこか北欧風のダイニングは、玄関を入るとすぐに現れる。天井にシーリングライトの穴は存在せず、特注の照明が吊るされている。

しかも、リビングの奥行きのあるソファーは、来客時にベッドに早変わりするもの。めったに使わない客間は設けなかった。そんな割り切った自邸を、二人は「登山道具のような家」と評している。たしかに、ひとつの家具に複数の機能を持たせているのは、山登りの道具のようだ。室内の仕上げもシンプルで、檜合板を使用。これで空間に心地よい統一感が生まれた。

寝室上部の空間は控え目なサイズ。

柳橋・櫻井邸には、サイズよりも広く感じられる工夫が随所に見てとれる。数珠つなぎになった部屋の一部を通路として使うことで、廊下を省いたのはその一例だ。部屋と部屋との間に仕切りは無く、視線が抜けるので、さらに広さが感じられる。二人の家は大小の箱が集まった形なので、庭も含め家のあちこちにちょっとした休憩スペースが生まれた。以前ホームパーティを開いた時、この家で20人近くが寛げたのは、そうした居場所のお蔭である。

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