2025.09.20

CARS

このクルマには、100年先も愛される建築のヒントが秘められている! 建築家が絶賛する「控えめで美しいデザイン」のクルマとは?

「控えめで美しいデザインだと思いませんか」。オーナーで建築家の佐竹永太郎さんは、取材の冒頭、そう切り出した。

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アジアの著名なデザイン賞でグランプリを獲得したこともある建築家の佐竹永太郎さんは、デザインの美しさに惹かれて古いイタリアのクルマを手に入れた。そのクルマの名前はランチア・フルヴィア・クーペ・シリーズI。マニアでなくても美しいと感じるフルヴィア・クーペのデザインには、100年先も愛される建築のヒントが秘められているという。

美しいボンネットの下にあるもの

「控えめで美しいデザインだと思いませんか」

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ランチア・フルヴィア・クーペ(1966年製)のオーナー、建築家の佐竹永太郎さんは、そう切り出した。

建築家・佐竹永太郎さんのランチア・フルヴィア・クーペ(1966年製)。

「1960年代のクルマでこのプロポーションです。とてもFFには見えませんよね。フロントの長さを考えれば2000ccくらいのエンジンを積んでいそうですが、1200ccしかありません。しかもこの薄いフロント部を実現させるため、技術者はとんでもない工夫をしています」

そう説明しながらボンネットを開けると、予想外の光景が現れた。エンジンは前輪よりも前の、中央から大きく左にオフセットして縦置きに配置されているのだ。しかも、耕運機のそれと見粉うほどコンパクトに感じるのは、わずか13度の超狭角V型4気筒がひとつのシリンダーヘッドに収まり、左方向に45度も傾けてマウントされているから。薄いフロント部実現のために、ここまでしていたとは。お陰でフルヴィア・クーペの印象は、軽やかでエレガントだ。

ボンネット内の右下に見えるグレーの機器がエンジン。

「ボンネットの先端はカットされてフロント・グリルに繋げています。この処理の効果で、フロント部がさらに薄く見えるようになっています。フロント・ヘビーかと思いきや、よく曲がって走りも良いんですよ」

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