2025.08.03

CARS

かつてジウジアーロが立ち上げ、50周年を祝しGT-Rも手がけたイタルデザイン 新たなデザイン・スタディを公開!

これがイタルデザインの最新作だ!

全ての画像を見る
ガイキンド(インドネシア自動車工業会)が主催するインドネシア国際オートショーで、インドネシア政府が初の国産車を目指して進める「プロジェクトi2C」のデザイン・スタディが公開された。

“神の鳥”がモチーフに!?


そのスタイリングを手掛けたのは、あのジョルジェット・ジウジアーロの手を離れて久しいイタルデザインだ。

advertisement




このコンセプト・モデルは6/7座のSUVで、既存のBEV用プラットフォームをベースに製作。デザイン作業は、インドネシアのエンジニアとイタルデザインの専門家たちが共同で行い、インドネシアの豊かな文化を織り込んだという。

その象徴的な要素としては、たとえばガルダが挙げられる。強さと知恵のシンボルとされ、インドネシアの国章となっている神の鳥だ。また、伝統的なテキスタイルであるバティックも、うまく取り入れている。



彫りが深く角張ったエクステリアは、強さや冒険心を感じさせつつ、エレガンスや実用性を細部に至るまで追求。



いっぽうでインテリアはクリーンで無駄のないラインを用い、整理された機能性やプレミアム感を表現した。

インドネシアでは現在、トヨタやダイハツ、スズキ、ホンダ、三菱といった日本勢、それにBYDなどが市場を占有している。そんな中、インドネシア政府としては、まず公用車に供する乗用BEVを自国で開発し、将来的に商業展開を目指したい考えだ。

イタルデザインのビジネス開発マネージャーであるアンドレア・ポルタは「長期的なコラボレーションが、はじまったばかり」としており、2026年のショーでコンセプト・カーの完全版を披露することが次の目標とのこと。

エンジンに比べ構造が簡素なBEVの普及により、新興勢力の自動車生産への参入は増しているが、国ぐるみのプロジェクトというのはまだ多くはない。この成否が、今後のイタルデザインのビジネスにも小さからぬ影響を与えそうだ。



ちなみに最近のイタルデザインといえば、日本では日産GT-Rベースで1億円オーバーのGT-R 50が大いに話題になった。

2018年にイタルデザインが、翌2019年にGT-Rが、それぞれ50周年を迎えた縁で企画されたモデルだったが、そのときにはすでに、イタルデザインはジウジアーロの手元にはなかった。



2010年にランボルギーニが90.1%の株式と諸権利を、2015年にはアウディが残りの株式を取得し、今やフォルクスワーゲングループの一員だ。その際にイタルデザインを離れたジョルジェットとファブリツィオのジウジアーロ親子は、トリノで新たなデザイン・スタジオ、GFGスタイルを開業し、意欲的な作品を発表し続けている。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement