2025.08.06

CARS

「日産の評価は最低…」「トヨタは満点」新関税措置、各自動車メーカーの対応をジャーナリスト国沢光宏が評価

新たな関税措置は2025年8月7日に発動か!? 日本の各自動車メーカーのここまでを五段階評価!

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日産には厳しい評価が

日産自動車は北米市場での生産現地化を積極的に進めてきたメーカーの一つである。テネシー州スマーナ工場やミシシッピ州カントン工場などを拠点に、長年にわたり主力車種の生産を行ってきた。けれど直近で大幅に販売台数を落とすなど苦戦中。アメリカの売れ行き低迷が日産の赤字原因になっているほど。しかも関税率が約15%となるメキシコ工場からの輸入も多い。

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日産は経営再建中のため、大規模な新規投資もできない。魅力的な車種をラインナップできていないため、大幅な値引きをして販売している。関税分を販売価格に上乗せしたら、さらに売れなくなるだろう。販売が好調なトヨタと明確な違いを見せる。結果、赤字額がさらに大きくなると思う。そんなことからメキシコの工場を休止したり、日本から輸出する台数を減らすなど動き始めているが、そもそも売れる車種がない。関税率が25%になったら相当厳しい。

北米市場での収益性を確保するため、日本からの輸出依存度を引き下げる必要に迫られる。既存の米国工場での生産車種ラインナップの見直しや、生産能力の効率的な活用くらいしか打つ手なし。

15%という関税率でも厳しいのに、25%となったらさらに打つ手なし。2万人規模の大幅リストラくらいじゃ販売低下の速度に追いつけない。年内にも抜本的な体制変化が起きることだろう。

ということから通信簿は“1”。

後編【「マツダの協力企業は20万台規模の仕事を失う可能性も…」新税関措置で各自動車メーカーはどうなる?】では、ホンダ、マツダ、スバルの3社の動向について詳報する。

文=国沢光宏

(ENGINE Webオリジナル)
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