2025.12.20

CARS

マニュアルで意のままに走らせたいクルマNo1!8年ぶりにトップ3に返り咲いたスポーツカーとは?【2025年買いたいクルマBEST 20】

8年ぶりにトップ3に返り咲いたポルシェ911カレラ・クーペ。

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トップ3に返り咲いたのはなんと8年ぶり! 46名のジャーナリストと編集部員、そしてEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2025年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。総合第3位のランクインは想定内だったこのスポーツカーだ!

>>>総合4位はこちら<<<

第3位! ポルシェ911カレラ・クーペ(T、GTS、4 GTS含む) 285pt

フェイスリフトとともに加わった911初の電動モデル、GTSの登場効果か、タイプ991の後期型以来、久々に最もベーシックな911がHOT3にランクイン。



ポルシェ911はこの企画でトップ3に入る常連である。だから今回もきっとそうなるだろうなと当初は予想していた。

しかし、現行の992.2では、エンジンスタート/ストップ・スイッチが“捻る”から“押す”に変わったり、メーターパネルがフル液晶になったりと、一部の911ファンからは失望に近い嘆きの声があがっていた。

加えて、GTSのパワートレインはハイブリッドとなり、電動化の波が911までをも侵食した事実を快く思わない方も少なくないと聞いた。



だからトップ3の指定席も今回ばかりは危ういかもしれないなんて次第に思うようになっていたのだけれど、蓋を開けてみれば911はちゃんとそこにいた。

911を1位に挙げた山田弘樹さんも村上政さんも「普通のカレラを味わって欲しい」「素が1番いい」と、911ではもはや定石となったコメントをされている一方で、大谷達也さんや藤野太一さんは「レスポンスとスタビリティのバランスが絶妙なカレラ4GTS」「MTであるカレラTか、はたまた初のハイブリッドであるGTSか、いずれも魅力的な存在」と、いわば“新参者”のハイブリッドのGTSを推している点がとても興味深い。

要するに、素のモデルでもまったく新しいパワートレインを備えたモデルでも、911に誰もが期待するポイントは外していないということを表しているのではないかと思う。



EPC会員のみなさんのコメントでは、MTに関するものが多かった。

IGAさんは「MTとステアリングから911の剛性感と精密性を感じる」、加藤剛さんは「3ペダルのカレラTは所有しじっくり付き合ってみたい1台」、RJNISSYさんは「新車がなかなかデリバリーされず、992前期型のカレラTの中古車に乗り換えることに決めてしまいました」、犬田行宣さんは「マニュアルで意のままに走らせたいクルマNo1」、しっしーおっすーさんは「人生で911は乗っておきたい、しかもMTで」、山口昌也さんは「左ハンドルのマニュアル・トランスミッションで決まり!」等々。



PDKの出来は素晴らしく、時に人間よりも正確なタイミングで正確なシフトセレクトをしてくれるけれど、こうした「でもやっぱりMTが欲しい」というユーザーの期待にもきちんと応えていることも、911の魅力のひとつなのだろう。

モノを作って提供する側からしてみれば、顧客の期待に応えることは責任のひとつであると同時に、期待を超えるところまで行きたいと考えるのは当然だ。

特に連綿と続く歴史と伝統がある場合、新しいことにも挑戦したいと考える作り手にとっては、それが葛藤にもなりかねない。ロングライフで活躍するミュージシャンが新作を出すたびに「昔のほうがよかった」と言われるようなものである。

911の開発陣も、きっとこれに似たような境遇に何度も直面してきたに違いない。それでも結果的にここまで長きにわたって支持され続けた要因はなんなのか。

それは清水草一さんの「911の本質は何も変わっていない」、斎藤慎輔さんの「その在り方はブレてない」のコメントに集約されていると思う。

文=渡辺慎太郎

■ポルシェ911カレラ・クーペ
全長×全幅×全高=4555×1870×1295mm。ホイールベース=2450mm。車両重量=1610kg(GTS 2座)。GTSはモーター内蔵ターボ1基を備えた3.6リッター水平6+1モーター+デュアルクラッチ式8段自動MT。総合出力は541ps/610Nm。車両価格=1853万円~。

■ポルシェ911カレラ・クーペには13人が投票!
285pt/大谷20pt+藤野20pt+村上20pt+山田20pt+渡辺20pt+九島19pt+菰田18pt+清水18pt+斎藤慎輔16pt+高平16pt+佐藤15pt+藤原15pt+竹岡14pt+EPC54pt

■911カレラ・クーペに投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はこちらでチェック!

「上位はみごとに全部スポーツカー!」大谷達也
「志に一切のブレがない世界的名車!」藤野太一
「人生の最後に選ぶ1台はこれだ!」村上政
「その金額を払うに相応しいだけの価値はあるか?」山田弘樹
「頂点に君臨しつづけるスポーツカーの世界遺産」渡辺慎太郎

(ENGINE2025年9・10月号)

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