2025.09.07

CARS

映画『グラン・トリノ』に登場するような見事なアメリカン・ハウス 旧いアメ車に乗るオーナーがかなえた夢のライフスタイルとは?

1965年型のシボレー・エルカミーノ(右)と1962年型のシボレー・ノヴァ(左)を所有するオーナーの間中さん。

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アメリカン・ハウス

さて、白壁のアメリカン・ハウスを建てたのは10年前。間中さんが30歳のときだった。

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「10年前はアメリカン・ハウスの専門店がなく、この家をイメージ通りにしていくことが大変でした。僕のイメージをもとに設計士さんが絵を描いてくるんですけど、違うことが多くて何度もやりとりを重ねました」

設計が終わっても実際の工務店とのやりとりでも苦労があったという。



「たとえば、庭の金網フェンス。緑に塗ってなくて、亜鉛メッキで、周りをパイプで囲んであってと細かく説明をしたり、カバード・ポーチは映画『グラン・トリノ』でクリント・イーストウッドが椅子に座って新聞読んでいるところですと言ったり」

当初一面の芝生だった庭はバーベキューのスペースを作るところから、少しずつ手を入れ、現在の姿になったのだそうだ。

「ガレージまで行くときにいつも歩くところの芝が傷んでしまう。バーベキューのスペースにはコンクリートを使うので、ガレージまでのアプローチを作りましょうといった感じで少しずつですね。サボテンなどが多い庭は“ドライガーデン”って言うんですけど、植物はカリフォルニアに自生しているものを調べて、こういうものを入れたいと外構工事屋さんに提案していきました」

間中さんの家に西海岸の風が吹いていると感じるのは、このドライガーデンの役割が大きいようだ。

私にとってはものすごく特別に思える間中さんのライフスタイルだが、本人にとってはまったく普通のことだという。

「アメ車に興味があるんだけど、実際どうなの? なんて聞かれることがあるんですけど、僕にとっては特別なことではないんです。リーバイスやコンバースを穿くのと同じ」

お兄さんたちの影響もあったかもしれないけれど、アストロやサバーバンなどのアメリカ車から、アメリカン・カルチャーやアメリカの暮らしに関心を抱き、生活様式そのものに憧れていく。

そんな風に間中さんの心のなかに、アメリカへの思いが広がって、最後にこの家が完成したのかもしれない。

文=荒井寿彦 写真=勝村大輔

(ENGINE2025年8月号)

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