トヨタは、一部改良した電気自動車「bZ4X」を10月9日に発売した。今回の改良では、クルマの購入や乗り換えをするときに電気自動車(BEV)を選んでもらうために、使いやすさやBEVならではの運転の楽しさを追求している。あわせて、外装や内装も変更された。
トヨタ共通のハンマーヘッドモチーフの顔へ!室内の広々感もアップ!
エクステリアは、ハンマーヘッドをモチーフとしたフロントデザインを改良し、プリウスやクラウン・エステートなどと共通の顔になった。

また、ZとGグレードに標準装備される18インチアルミホイールと、Zグレードのオプションに設定される20インチアルミホイールのデザインが変更されている。

ボディカラーは、モノトーン(アティチュードブラックマイカ)、ツートーン(アティチュードブラックマイカ×プラチナホワイトパールマイカ、アティチュードブラックマイカ×プレシャスメタル)が新たに追加された。

インテリアは、インストルメントパネルのデザインを水平基調で薄くシンプルな形状へ変更。ディスプレイオーディオは、最新のコネクティッドナビ対応のものを搭載し、サイズを14インチに拡大した。

センターコンソールは、形状を変更することで、足元の開放感を向上させるとともに、おくだけ充電(運転席用と助手席用2台分)を搭載することで使い勝手を向上させている。

▲新しいパノラマムーンルーフ

▲これまでのパノラマムーンルーフ
Zグレードに標準装備されるパノラマムーンルーフは、センターリインフォースメントを無くした。これにより、さらに開放的な室内になった。
航続距離が伸びた!走りが楽しくなった!新たな充電サービスも始まった!
新しくなったbZ4Xは、航続距離(WLTCモード・FWDモデル)が従来モデルから約3割増の最大746kmとなった。
2022年時点では、FWDモデルの最大航続距離は567kmだった(バッテリー容量201Ah)が、2025年10月モデルではバッテリー容量が191AhのFWDモデルの最大航続距離が746kmになっている。このことからも制御システムが変更されたといえるだろう。

また、急速充電の時間を最短約28分に短縮。さらに、あらかじめバッテリーを温めて低温時の充電速度を改善する「バッテリープレコンディショニング」機能を搭載し、寒冷地での充電性能を向上させた。

加えて、トヨタ純正「6kW普通充電器」を販売店装着オプションとして新設定。充電器のカラーは、ホワイトとブラックの2色から選べる。
そして、CHAdeMOに対応するしているBEVおよびPHEVも対象となるトヨタの新充電サービス「TEEMO(ティーモ)」の申し込みも10月9日から開始された。

これは、月額基本料金0円、アプリで充電器を検索・予約・決済可能なサービスだ。なお、ティーモは、トヨタ販売店とレクサス一部販売店に設置されている「TEEMO充電器」をはじめ、eMP充電器で利用できる。これまでの充電サービス「EV・PHV充電サポート」は、ティーモ開始後も当面継続される。
快適性と運転する楽しさを両立させた新しいbZ4X
走行面では、eAxle(トランスアクスル、モーター、インバーターを一体化した駆動システム)の小型化・形状最適化などにより出力を向上。0-100km/h加速は5.1秒を実現している。

その他にも、電動パワーステアリングのギアボックスをボディに直結させることでステアリングのダイレクト感を向上させたり、サスペンションやアブソーバーなどのチューニングにより乗り心地と操縦安定性を高めたり、フロントドアにアコースティックガラスを採用して室内の静粛性をアップさせたりするなど、快適性と運転する楽しさを両立させている。

新しくなったbZ4Xは、従来モデルよりも利便性が向上し、運転そのものを楽しめるモデルに変わった。その実力がどれほどのものなのか気になるモデルだ。また、3代目日産リーフの発表の翌日にbZ4Xの改良モデルが発表されていることから、トヨタも日産も互いの動向を注視している印象を受ける。いずれにせよ、日常使いやすい電気自動車が増えていくことは間違いなさそうだ。
文=齊藤優太(ENGINE編集部)
(ENGINE Webオリジナル)