2025.12.25

CARS

まさにクルマ好きの夢!【ポルシェ自身によるレストアで伝説を再現】ザルツブルク・デザインの「カレラGT」とは?

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プエルトリコのコレクターが、ポルシェに「カレラGTのレストア」を依頼。あわせてカスタマイズ・プログラムの“ゾンダーヴンシュ”が、エクステリアの手直しをおこなった。

愛車を新車、いやそれ以上に蘇らせてくれる?


モチーフは、ポルシェにとって特別な意味を持つレーシング・カーだ。



そのモチーフとは、1970年にポルシェ初のル・マン制覇を果たした「917K」だ。Kはドイツ語で『短い』を意味するクルツの略。この年からショート・テール化された「917」は、ガルフ・カラーの2号車と、ディーラーであるポルシェ・アルペン街道のチームによる23号車がル・マンに参戦。



この23号車に施された紅白のカラーリングが、チームの母体となったディーラーの所在地にちなんで“ザルツブルク・デザイン”と呼ばれている。



ポルシェ・ファクトリー再委託プロジェクトに預けられた「カレラGT」は完全に分解され、V10エンジンなどのメカニズムはオーバーホール、カーボン・パーツは再コーティングを実施。



そしてもともとシルバーだった外装は、「カレラGT」に合わせてアレンジした新たな“ザルツブルク・デザイン”で仕上げられた。



「917」とはサイズもフォルムもまったく異なる「カレラGT」にフィットするよう、スケッチから製図、テープでの仮デザインを経て、ようやく最終的なテンプレートを製作しての塗装に至ったという。

インディアン・レッドとホワイトを用いたそのパターンは手塗りで施され、普段使いすることを考えて保護目的の透明なラッピングもかけられた。もちろん、“23”のゼッケン・ナンバーも同じくだ。



そのほか、ルーフの一部やA/Bピラー、ドア・ミラー、フロントのエア・ダクトやリアのディフューザーは、アクセントとなるマット・カーボンに。エンジン・カバーのグリルはマット・ブラック、純正の5スポーク・ホイールはブラック塗装で仕上げている。



インテリアはオーナーのリクエストで、インディアン・レッドのアルカンターラを多用。ダッシュボードやドア・パネル、ステアリング・ホイールのリムやセンター・コンソール、フロントの荷室トリムが鮮やかな赤で統一された。



いっぽう、シート・シェルや送風口、計器盤のカバーはマット・カーボンに。センター・パネルやヘッドレストは、「918スパイダー」に用いられた、FIA規定を満たす不燃性ファブリックだ。

このクルマを生み出したポルシェのファクトリー再委託プロジェクトは、“ゾンダーヴンシュ”の一環として設定された。クラシック・モデルにも対応し、メーカー公認で実質的に新車同様の状態に戻すが、変更点はポルシェのアーカイブに記録されるので追跡可能。



クラシック・カーのオーナーならば思い描く、愛車を新車コンディションでもう一度乗りたい! という夢を叶えてくれる。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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