2019.06.26

LIFESTYLE

家の中は路地だらけ! チューブでつながる高床式住宅の室内は驚きに満ちている!!

チューブでつながった不思議な家。

雑誌『エンジン』の大人気企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、関西特有の間口が狭くて奥に長い、町家時代の名残りの敷地に建つびっくりのアイディア住宅。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。【マイカー&マイハウス】過去の連載を読む

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自転車のため戸建てに

淀川に近い、下町の香りが残る住宅が密集した大阪の中心部に、作業療法士の武田真一さんたちのお宅は建っている。区画整理されたエリアで、土地は道路に接した北側が狭く、南北に長い長方形。家の前の道は狭く、それ以外の三面は隣家に接している。こうした土地のデメリットを、驚くような形の家で解消したのが武田邸だ。

それまではマンション暮らしだったが、趣味であり片道40分の通勤の足である自転車をメンテナンスするために、家を建てて住むことにした武田さん。選んだ家具や照明から分かる通り、かなりのインテリア好きだ。設計は、圧倒的に個性的との理由で、竹口健太郎さんと山本麻子さんが主宰する京都のアルファヴィル一級建築士事務所に依頼した。



とは言え、正面からではこの家が特別な形をしていることは分からない。しかも通りには、同じような顔をした3階建ての戸建て住宅が並んでいる。付近の家と違うことといえば、何本もの鉄骨で2階以上を支える構造になっていることだろう。柱でできた1階の空間は、トヨタ・ランドクルーザー・プラド(1997年型)の駐車スペースと、自転車のメンテナンス・エリアになっている。現在自転車は8台と三輪車2台。クルマも3台まで駐車可能で、近くに住む奥様のお母様も、クルマで訪れることが多い。

武田さんとこのランドクルーザーとの生活は10年近く。奥様が大きなクルマが好きだったこともあり選んだもので、通算走行距離は14万キロ。雨の日の通勤だけでなく、キャンプや雪山へと、大活躍している。キャリアーは、自分で探したものをルーフに架装したお気に入りのもの。仲間家族のものも合わせ、10人分のスキーを積むことができる。

「次のクルマとして興味があるのは、茶色のランドクルーザー・ヘビー系70シリーズ 発売30周年車のMT。どんなクルマに乗るにせよ、今使っているキャリアーを引き継ぎたい」と話す。ちなみに武田家の2階の軒下は、ランドクルーザーにキャリアーを装着したギリギリの高さで設計されている。荷物を載せたら入れない。

さて、外からだと分からなかったこの家の構造も、ちょっと敷地の中に入ると、複雑な作りがすぐに見える。見上げると、吹き抜けを太いチューブが何本も走っているのだ。家の構造は、敷地の南北を5つに割って、南、中央、北の3つの棟を作り、それぞれの棟をチューブ状の廊下や階段室でつないだもの。しかも、チューブは上下、左右に斜行しているので、形状は複雑である。普段は平面図で家の間取りを説明するが、今回はあえて断面図を使ったほどだ。



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