2020.02.14

LIFESTYLE

展望リビングから宝塚の絶景を見渡す! 傾斜地に建つアッと驚くアイデア住宅

眼下に宝塚の絶景を望むリビングからの眺めが凄い!

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中古車で重要なのは前オーナー

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そんなNさんがクルマを選ぶ基準は、デザインである。だが近年のクルマで好きなものは無く、どうしても古いクルマになってしまうとか。その際に重視しているのが、走行距離よりも前オーナーについてだ。これは最初のクルマ、ルノー・エクスプレスを知人のディーラーでお世話になった際に学んだことである。勧められたクルマの走行距離は10万キロを超えていたが、大切に乗られており相当に程度が良かったのだ。以来、前オーナーが明らかなクルマしか乗らなくなった。

次に乗ったのは、初代ルノー・ルーテシア16Vである。ディーラーの社長が自分のために仕入れた一台で、Nさんがクルマ好きと分かり、快く譲ってくれたものだ。気に入って8年ほど乗ったものの、貰い事故で廃車に。色違いの同じ車種で、素性が良い一台があったのは長野だった。家族旅行を兼ねて試乗に行ったのは楽しい思い出である。これには3年乗った。

今の第2世代のルーテシアも、数多くのルノー・オーナーを知っている、とある地方の敏腕のセールスマンのお世話になったものだ。前オーナーは、頻繁にエンジンを下ろしてオーバーホールをする相当なマニアで、調子は抜群。それでも古い車なので、不具合はつきものだ。ものによっては、新品のパーツが存在しないのが悩みというが、ともあれ大事なのは「人」である。

2階の屋上テラスから母屋を眺めた写真。

さて、この家が完成した後、Nさんは自分たちが住み始める前に、前田さん夫婦を自宅に招いた。Nさん抜きで、前田さん夫婦だけで2日間をこの家で過ごすというものである。しかも、ケイタリングの料理と冷えたシャンパンを用意した、粋な招待だった。自分の設計した家の住み心地を体験することで、建築家としてさらなるレベルアップを図って欲しいという心配りである。

N邸が完成した一昨年の末、前田さんは大学で教えることを辞め、設計に集中することにした。以後プレゼンでは、必ずN邸の説明を行った。結果、数件の公共建築を手掛けることとなったのである。事務は、所員3人から9人に急拡大。この家の模型は、今年のパリ日本文化会館の展覧会に出品されるなど、Nさんの望んだ通り前田さんの代表作となった。この家が誕生したのは、前田さんの努力と類まれな絶景、そしてなにより二人の人間関係によるところが大きい。そう、クルマ選びも建築も、大事なのは「人」なのだ。

文=ジョー スズキ 写真=山下亮一



■建築家:前田茂樹 1974年大阪生まれ。大阪大学卒業。東京藝術大学大学院を中退し、フランス国立図書館などで知られるドミニク・ペローのパリの事務所に10年間勤務。大阪富国生命ビルなどを担当し、その後独立。今年は三宅町複合施設、高浜UMIKARAなど、複数の公共事業が着工予定。もちろん、個人住宅も手掛ける。美術展の会場構成も得意。仕事で山間部も訪れるので、小ぶりなアウディA3に乗る。

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(ENGINE2020年3月号)

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