2020.03.07

CARS

クルマの歴史を繋ぐ 巡り巡ってやって来たザガート創業家のエリオ・ザガートが所有していたアルファ・ロメオSZ

アルファ・ロメオSZ

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以前イベントで見た2台はSZの代わりにすでに川瀬さんの元から旅立っていた。その2台を手放してまで購入したSZはさぞかし思い入れがあるに違いない。

「このSZは以前、ザガート創業家のエリオ・ザガートが所有していたクルマなんですよ。ザガートの創業者、ウーゴ・ザガートの息子である彼は、自身が製作に携わったスポーツカーをコレクションしていたらしいのですが、そのときに持っていたのがこのSZだといわれています。」

「どうやら、レストア中にザガートの経営が傾いてきて、エリオさんがこのSZを手放したらしいのです。しかも、このクルマをレストアしたのはかつてザガートに勤めていたのちに自身の工房を開設したガルビアティさん。1987年に彼のガレージでレストアしたことを示すステッカーがトランクフードの裏側に貼られています。それが巡り巡って、私のところにやって来たというわけです」


なんとも凄い経歴を持つクルマを買ったものだ。しかし、川瀬さんがSZを購入したのは偶然ではなく、以前からアルファ・ロメオのことが気になっていたという。


「公道を走れるアルファ・ロメオの頂点はSZと同じくザガートが手掛け、1962年に登場したTZ1だと思っていたので、TZ1を探していたのですが、コレなら買っても大丈夫というクルマがなかなか見つからなくて。模造車が多く、本物を探すのが大変だったんですよ。ずっと気にしていたものの、そのうちに高価になってしまい、購入するのが難しくなってしまいました」

「日本国内のつながりで買おうかなと思ったTZ1が何台かあったのですが、縁がなかったということですね。その後、ショップだけでなく、個人オーナーとのつながりで探していたところ、あるとき、このSZが出てきたわけです。“もう、これしかない”と思って買ってしまいました」



イタリア車に造詣の深い川瀬さんに初めてのアルファ・ロメオはどのように感じられたのだろうか。

「SZはアクセルが軽く、エンジンの吹け上がりもいいので、驚くほど軽快に走れますね。感動しました。つい最近まで愛用していたレコルト・モンツァは747ccのモノアルベーロ(シングル・カム)エンジンのおかげで、低回転域からトルクがあり、さらにボディが軽かったので、街中や郊外の峠道で楽しむことができました」

「もちろん道が空いている時間帯に限定されますけど......。それに比べてSZはアバルトよりも全方位的にゆとりを感じられて、乗りやすさと楽しさが共存しています。ASAと同じようにオールマイティなスポーツカーといった感じですね」

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