2020.03.07

CARS

クルマの歴史を繋ぐ 巡り巡ってやって来たザガート創業家のエリオ・ザガートが所有していたアルファ・ロメオSZ

アルファ・ロメオSZ

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いまでこそ熱心なイタリア車フリークになった川瀬さんだが、以前はドイツ車ばかりに乗っていたという。

「アバルトとランチアを手放したのでガレージの中が少し寂しくなりました。それでもまだ、1973年式のディーノ246GTと1965年式のASA1000、そしてアルファ・ロメオSZがあるので、愛車の中におけるイタリア車の比率は高いままです。1965年式ホンダS600クーペという日本車もありますけどね」


1965年式のホンダS600クーペは30年間納屋に眠っていたのでオリジナル塗装をキープ。総合ホビー・メーカーのトミーテックがS600クーペをモデル化するにあたり、このクルマを参考にしたという。米軍向けに5台だけデリバリーされたうちの1台なので左ハンドル仕様だ。ステアリング・ホイールはテニス・ラケット・メーカーのフタバが作ったもの。

「このクルマはオリジナル塗装を維持しているなど程度が良い上に、米軍のために特別に5台だけ日本で販売された左ハンドルというヒストリーが気に入って購入しました。イタリア車に傾倒する以前はドイツ車ばかりでした。車名を挙げると、大学時代に乗り継いだ2台のビートルに始まり、W123型のメルセデス・ベンツ300TD、ゲレンデヴァーゲン、ポルシェ914と911Tなどです。ポルシェは完成度が高すぎて、自分には刺激的なクルマに感じられなかったので、911Tを手放してディーノを買い、914の代わりにASAを手に入れました」


愛犬のジャムくんがいる自宅のガレージに収納されていることが多い1965年式のASA1000GT。その設計と製作にはフェラーリが携わっていたので、同時代のフェラーリ250や275のパーツも使われている。ドライビング・ポジションが最高で運転しやすく、エンジンがツインキャブなので走りやすいそうだ。


「イタリア車に邁進するきっかけとなったのは、友人が乗っていたクイーンメリーと呼ばれるフェラーリ365GT2+2です。12気筒エンジンの官能的なサウンドと走行フィーリングがあまりにもドラマチックだった。このクルマに触れたことで、自動車趣味の方向性が一気にイタリア車へとシフトすることになりました」


1973年式のディーノ246GT-Eタイプは、ロッソディーノと呼ばれるフェラーリのオリジナル・カラーを纏っている。

SZが格段に面白いクルマだという確信を早くも得た川瀬さんは、さらに自分好みのクルマに仕立てるため、タイヤとホイールを交換する準備を進めている。川瀬さんとSZがイベントに颯爽と現れる日は近い。

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文=高桑秀典 写真=郡 大二郎

(ENGINE2020年3月号)

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