スーパーカー世代にとってのスーパースター、ランボルギーニ・カウンタックを30年ずっと大事にしている小嶋博行さんは、乗らないときもクルマと会話する。独特な愛し方が微笑ましいオーナーのランボルギーニとプジョーの2台持ちカーライフ。モータージャーナリストの大谷達也がリポートする。
カウンタックと30年
小嶋博行さんと美和さんは、ご主人がランボルギーニ・カウンタック25thアニバーサリー、奥さんがプジョー207SWを所有している仲むつまじい2台持ちの夫婦。カウンタックを持っているというだけで博行さんのエンスー度は知れるが、驚くべきは、 29歳のときに新車で購入したカウンタックを30年近く経ったいまも愛用し続けているところにある。
「スーパーカーブームまっただなかの世代で、スーパーカー=カウンタックというイメージは子供の頃から持っていました」。そんな博行さん、18歳のころにトヨタ・セリカ・リフトバックの2000STを購入すると、ご両親が金属加工業を営んでいたこともあって自分でサスペンション・スプリングを切って車高を落とすなどの改造に励んでいた。
あるとき違法改造で反則切符を切られると「そんなことなら最初から背の低いクルマを買えばいい」と一念発起。縁あって金属ボディに変わった直後のフェラーリ308GTBを手に入れる。それが25歳のときのことだったそうだ。
博行さんのご実家が資産家で、若い頃から湯水のようにお金を使っていたと思われるかもしれないが、ご本人は謙遜してか「そうではありません」と否定する。「僕は実家で働く職人で、給料をコツコツと貯金してフェラーリを買いました」
この308GTBは快調でスーパーカーの魅力を存分に味わったという。やがて、周囲のフェラーリ好きに「いつかは12気筒」と背中を押されてテスタロッサを購入する。ところが、こちらは少々いわく付きのクルマだったらしい。
「ギアボックス の調子がよくありませんでした。しかも走行3000kmと聞いていたのが実際は3万kmだったり、名義変更に手こずったりしたせいで、クルマへの思いも次第に冷めていったんです」

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