2020.06.02

CARS

新型BMWアルピナD3Sは、スーパースポーツ・ディーゼルの新王者か

直6ツインステージ・ターボに48Vマイルド・ハイブリッド・システムも加えた強心臓。


新型3シリーズをベースにしたBMWアルピナに6気筒ディーゼル・エンジンを搭載したモデルが加わった。5月5日に本国ドイツで発表されたもので、生産開始は7月からという。ニコル・オートモビルズは、これを受けて日本での車両価格を発表した。セダン・ボディのD3Sリムジンが1078万円(消費税込)、ステーションワゴン・ボディのD3Sツーリングが1117万円(消費税込)となる。日本市場への導入時期は12月を予定している。いずれも右ハンドル仕様のみの設定となる。


新型D3Sの目玉となるのは、もちろんそのパワートレインで、今回は直列6気筒直噴ツインステージ・ターボ過給ディーゼルに、48Vのマイルド・ハイブリッド・システムが組み合わされている。低回転域でのリニアなレスポンスと、ディーゼルとしては異例の高回転域への伸びを両立していると、アルピナは自信満々だ。3リットルディーゼル・エンジン単体で355ps/4000-4200rpmの最高出力を発揮し、74.4kgm/1750-2750rpmの最大トルクを捻り出す。48V仕様のスターター兼ジェネレーターは8kW(11ps)の出力をクランクシャフトへ返すことが可能で、これによって低回転域でのレスポンスは並外れて良好だという。これだけの高性能を誇りながら、排出ガス浄化システムは最新の規制値となるEuro 6d-ISC-FCMに適合している。浄化システムの構成は厳重で、酸化触媒→SCR触媒コーティングDFP→尿素インジェクター付きのSCR触媒(2基)によって窒素酸化物を封じ込んでいる。


この動力源に組み合わされる変速機は8段AT(8HP76)となる。駆動方式は電子制御オンデマンド型の4WDとなるが、リア・ディファレンシャルには電子制御式のアクティブLSDが組み込まれている。ロードホイールは19インチ(鋳造)が標準となるが、オプションで20インチ(鍛造)を選ぶことも可能だ。後者を選ぶことでバネ下重量は計14kg軽くなる。タイヤはピレリと共同開発した専用のP-Zeroとなる。


動力性能はディーゼル・エンジンとは俄かには信じがたいほどだ。セダン・ボディを例に取ると、0-100km/h加速を4.6秒、0-200km/h加速を17.5秒でこなし、最高(巡航)速度は273km/hにも達する。それでいて二酸化炭素排出量は199g/kmに過ぎず、WLTP測定法に基づく燃料消費率は13.2km/リットルとディーゼルならでは小食ぶりだ。スーパースポーツ・ディーゼルと呼ぶに相応しい性能を発揮してくれるだろう。


変速機はアルピナお得意のスイッチトロニック付き8段AT。オプションでパドル・シフターを備えることも可能だ。
φ84×90mmのボア・ストロークから2993ccを得る直列6気筒ディーゼル・エンジンは、ツインステージ式の2基のターボチャージャーを備える。冷却系はアルピナの流儀に則って強化され、制御ソフトウェアも入念に再プログラミングされているという。

文=齋藤浩之(ENGINE編集部)


(ENGINEWEBオリジナル)

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