2020.09.17

CARS

かつて北極圏からアフリカまで125ccのバイクで旅した冒険野郎が、5リットルV10のM6を人生最後のクルマに選んだ理由とは

2008年型BMW M6(E63)

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そもそもBMWとの出会いは、クルマではなく二輪バイクだった。30年以上前、大学4年を前に休学した私は、北極圏からアフリカまでバイクで野宿旅を続けていた。当時、世界最大のサハラ砂漠を舞台にした「パリ・ダカール・ラリー」二輪部門で3連覇中だったのがBMW R100GS。予算の都合でホンダの125ccをトコトコ走らせていた私が、サハラで悪戦苦闘しながら猛烈に憧れたオフロードバイクだった。

帰国してバイク雑誌の仕事をするようになった私は、国産バイクを乗り継ぎ、9台目にしてBMW R1150GSを手に入れる。1923年のBMW初のバイクから延々と続く水平対向2気筒の末裔だ。納車時に店長から「3万kmも走れば“慣らし”も終わって、エンジンの調子が良くなってくる」と聞かされた時、国産バイクとのスケールの違いに驚かされた。実際に走行距離が6桁まで記録できる、国産より1桁多いオドメーターに気づいたとき、99万9999kmを目標に、一生かけて乗りつぶす決意をしたのである。

ゴルフに目覚めたのは40代半ば。国産2シーターから乗り換える際、ボクサーエンジンつながりでフラット6も考えたが、やはりゴルフバッグが積みにくい。ならば、と手を出したのがM6だった。クーペにしては大柄ながら、最大積載量は2人+2ゴルフバッグ。ある日、後部座席に乗った3人目は横向きの体育座りという過積載状態となってしまった。だが、4人+4バッグが可能なクルマだと、同伴者たちの送迎係になりがち。ラウンドも単独ドライブも楽しみたい私にとって、このサイズは“言い訳”にもなって好都合なのだ。

オドメーターは、現在8万km。目標はあと10年、20万km。人生の多くの時間を共に過ごした2台のBMWは、内燃機関としてこのまま人生最後の相棒になりそうだ。次は環境に配慮してi3か。だが、ゴルフの帰り道、またしてもうっかりMボタンに指が伸びてしまうのだ。

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文と写真=大野高広(時計ジャーナリスト)




(ENGINE2020年7・8月合併号)

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