2020.07.31

CARS

クルマ雑誌編集者のメートル原器! エンジン編集長、村上政の愛車は2005年型ポルシェ・ボクスター

2005年型ポルシェ・ボクスター

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これまで出会ったクルマの中で、もっとも印象に残っている1台は何か? クルマが私たちの人生にもたらしてくれたものについて考える企画「わが人生のクルマのクルマ」。ENGINE編集長村上政が選んだのは、「2005年型ポルシェ・ボクスター(987型)」。2000年春、ENGINEの創刊とともに副編集長に就任。それまで週刊誌のデスクだった雑誌ENGINEムラカミが新たな世界で出会ったのは、思い通りにクルマを動かすことの計り知れない楽しみだった。

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死ぬまで手放しません

まさか一度きりの人生の中で、自分がクルマ雑誌の編集者になるなんて思ったこともなかった。学生時代に週刊誌の編集部にアルバイト記者として潜り込み、そのまま就職。以来、足かけ18年を毎週の締切りと暇さえあれば酒とバクチに明け暮れて過ごし、生涯一記者として人生を終えるものと覚悟していた。それが突如、会社で新創刊することになった“クルマを柱とするライフスタイル誌”への異動を言い渡されたのだ。

そこから、私の“第二の人生”が始まった。むろん、クルマがなければ女の子にモテないような時代に青春時代を過ごしてきたから、それまでもいっぱしのクルマ好きではあった。学生時代にアルバイトで貯めたお金で初めて買った中古車が白い初代セリカXX。4年落ちの2L直6MT車で、90万円ほどだったと記憶する。あの丸っこいスタイルに憧れていただけで、走りのことは良くわからなかった。それを初代スバル・レガシィ後期型のセダンの新車に乗り換えたのは、当時はよくスキーに行っていたからだ。さらにそれを、やっぱり荷物が積めた方がいいやという理由で2代目レガシィのツーリングワゴンに乗り換えてしばらくした頃に、人生の転機が訪れた。

とにかく、毎日が新鮮な驚きの連続だった。副編集長として、初めて担当した長期テスト車BMW318Ciは左ハンドルのMT車で、曲がろうと思ったらワイパーが動き出すわ、駐車車両がいる度にセンターラインを超えるのが怖いわで、ほとんど泣きそうになりながら運転したものだ。しかし慣れてしまうと、それまで乗ってきた日本車にはない重厚な乗り味や、それでいてステアリングを切れば切っただけ気持ち良く曲がる軽快なハンドリングに奥深い魅力を感じるようになっていった。

相棒となったもう一人の副編のイマオさんが担当した初代ロータス・エリーゼ111Sにも呆気にとられた。まるでレーシングカーそのもののようなアルミ・バスタブにFRPのボディを接着剤でくっつけた原始的なつくりのクルマが公道を走る姿に、開いた口が塞がらなかった。

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