これまで出会ったクルマの中で、もっとも印象に残っている1台は何か? クルマが私たちの人生にもたらしてくれたものについて考える企画「わが人生のクルマのクルマ」。自動車ジャーナリストの藤野太一さんが選んだのは、「ユーノス・ロードスター」。昭和から平成へという激動の年に、ユーノス・ロードスターと出会い、クルマやサーキットの楽しさを知った。わが人生のエポックな1台と藤野太一は言う。
恩車であり、愛車だ!
1989年、わたしの10代最後は激動の1年だった。1月7日、昭和天皇が逝去され、平成の世が始まった。4月に初めて消費税が導入された。国外ではベルリンの壁が崩壊し、中国では天安門事件が起きた。
その一方でクルマ好きはさらなる衝撃を受けた年でもあった。トヨタが初代セルシオを、日産がR32スカイラインGT-RやZ32フェアレディZを立て続けに発表。そして、マツダからはユーノス・ブランドで初代ロードスターが発売された。
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