今、最も予約が取れないレストランといわれる「Maison KEI」。フランスでアジア人初のミシュラン三つ星を獲得した、人気シェフのこだわりを聞く。
御殿場の緑の中に誕生した「MaisonKEI(メゾン ケイ)」は、パリの「Restaurant KEI(レストラン ケイ)」の小林圭シェフと和菓子屋「虎屋」がつくったフレンチ・レストラン。現在もっとも食通の注目を浴びる店のひとつだ。
小林氏が御殿場に店を開いたのは、虎屋の18代・黒川光晴氏との縁がきっかけ。パリ勤務時代に小林氏と知り合った黒川氏が、常に味を突き詰めているシェフの姿勢に感銘を受け、5~6年前から共に開業準備を進めてオープンに至ったという。「御殿場には虎屋の主力工場があり、虎屋と縁の深い場所。黒川社長がレストランを開業する目的のひとつとされている“地域の活性”というテーマには、僕も以前から興味があったので、ぜひこの機会にトライし、料理人として社会に貢献したいと思いました」(小林氏)
「Maison Kei」では、料理に静岡県産の食材を使うことで地域の活性化に貢献したいとか。焼津のサスエ前田魚店から仕入れる新鮮な金目鯛は、皮やうろこを香ばしく焼き、身はしっとりと仕上げて、イカ墨とバジルのソースを添えたもの。採れたての食材を使えることは、生産地に近い御殿場の強みでもある。
さて、ここで小林氏のプロフィールをご紹介すると、彼はパリの三つ星「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」で5年間スーシェフを務めた後、2011年に1区で「Restaurant KEI」を開業し、20年に三つ星を獲得した実力者。パリの店のディナーコースが150ユーロ~なのに対し、御殿場「Maison KEI」のディナーは4800円~とリーズナブルだ。だからといって手を抜くことはないし、御殿場のコースの中にはパリと共通のメニューもある。その一皿が、スペシャリテの「庭園風季節のサラダ」。「食材の命を大切にする」という信条に基づき、さまざまな野菜の食感や香りを最大限に生かした一皿だ。小林氏は常に「どうしたら一つ一つの素材を輝かせ、いただいている命を食べる人の記憶の中に残せるか?」ということを考えているのだとか。
デザートの名物「ヴァシュラン」は、虎屋の餡をメレンゲやアイスクリームなどと合わせたもの。「ここでしか味わうことのできない餡の食べ方を提案したい」という小林氏の意気込みを感じながら、地産地消のフレンチを楽しみたい。
■「MaisonKEI」 静岡県御殿場市東山527-1 Tel.0550-81-2231
営業時間:ランチ11:30~、ディナー17:30~ 定休日:火曜日・水曜日 https://www.maisonkei.jp/
文=小松めぐみ(フード・ライター)
(ENGINE 2021年5月号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
2024.11.23
LIFESTYLE
森に飲み込まれた家が『住んでくれよ』と訴えてきた 見事に生まれ変わ…
PR | 2024.11.21
LIFESTYLE
冬のオープンエアのお供にするなら、小ぶりショルダー! エティアムか…
2024.11.21
CARS
日本市場のためだけに4台が特別に製作されたマセラティMC20チェロ…
PR | 2024.11.06
WATCHES
移ろいゆく時の美しさがここにある! ザ・シチズン の新作は、土佐和…
2024.10.25
LIFESTYLE
LANCIA DELTA HF INTEGRALE × ONITS…
2024.11.22
WATCHES
パテック フィリップ 25年ぶり話題の新作「キュビタス」を徹底解説…
advertisement
2024.11.16
こんなの、もう出てこない トヨタ・ランドクルーザー70とマツダ2 自動車評論家の渡辺敏史が推すのは日本市場ならではの、ディーゼル搭載実用車だ!
2024.11.15
自動車評論家の国沢光宏が買ったアガリのクルマ! 内燃エンジンのスポーツカーと泥んこOKの軽自動車、これは最高の組み合わせです!
2024.11.15
GR86の2倍以上の高出力 BMW M2が一部改良 3.0リッター直6ツインターボの出力をさらにアップ
2024.11.20
抽選販売の日時でネットがざわつく 独学で時計づくりを学んだ片山次朗氏の大塚ローテック「7.5号」 世界が注目する日本時計の傑作!
2024.11.16
ニスモはメーカーによる抽選販売 日産フェアレディZが受注を再開するとともに2025年モデルを発表