毎年夏にネバダ州の砂漠で開催されているアートなお祭り、バーニング・マン。そこに集結したのは、映画から飛び出したような不思議なクルマたちだ。
まるで映画「スター・ウォーズ」や「マッド・マックス」に登場するようなこれらの乗り物。アメリカの奇祭バーニング・マンにやってきた「ミュータント・ヴィークル(改造車)」、あるいは「アート・カー」と呼ばれるクルマだ。
バーニング・マンは、自動車の最高速のトライアルも行われるネバダ州の砂漠で、毎年夏の1週間、催されてきたお祭りである。普段は誰も住んでいない場所だが、祭りの期間は数万人が集まり、人々はテントやキャンピングカーで寝起きをする。しかも参加者は、ただ単に催しを見物するだけではない。自己表現しながら他者と交流し、相手に金銭を求めることなく何かを施すことを推奨されているのだ。そして祭りの最後は、会場に作られていたモニュメントが燃やされ、後には何も残らず、人々は普段の生活に帰っていく少々変わったお祭りである。

参加者は自己表現として、彫刻を飾ったりパフォーマンスをしたりと、アート活動を行う人が多い。ミュータント・ヴィークルもそうした一ジャンルで、観ても楽しい運転できるアート作品の位置づけだ。参加車両には厳しいルールがあって、どんなクルマをベースにしているかを明らかにしたうえ、オリジナルのクルマとは似ていない、自動車とは違う乗り物に変えないといけない。よく目にするのは、宇宙船や動物に形を変えたミュータント・ヴィークルだ。さらに事前にコンセプトの創造性と安全面のチェックが主催者からある。そんなこともあって数百台にのぼる参加車は、レベルの高い「作品」が多い。
こうした魅力的なクルマを、ドイツの写真家アレキサンドラ・リアが写真集として出版することになった。アメリカのマッスルカーの魅力に憑りつかれ、アメリカ独自の自動車文化を伝えてきた彼女は、長年このお祭りに通っている。曰く、「参加車のクリエイティビティと、背景となる砂漠が作り出すSF映画のような世界は唯一無二」。抜けるような青い空の下、あるいは砂埃の中、強いストロボで浮かび上がる異形のクルマは、かの地で実物を観たくなる独自の魅力を持っている。この創造性豊かなクルマのイベントの存在を、是非多くの人に知ってもらいたいものだ。



文=ジョー スズキ(デザイン・プロデューサー)
(ENGINE2021年6月号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
PR | 2026.05.11
CARS
継承される王者のDNA PHEVカテゴリー国内販売台数No.1の三…
2026.05.07
CARS
マイナーチェンジ版日産フェアレディZが日本初公開|初代“S30”を…
2026.05.04
LIFESTYLE
すべての部屋から海が見える平屋の家。晴れた日には富士山と伊豆大島を…
PR | 2026.04.23
LIFESTYLE
こだわりの2WAY! 美しい縦型のショルダーバッグが エティアムか…
2026.05.03
CARS
220台超の車両と1万1600人以上の来場者を集めた空冷ポルシェの…
2026.05.03
CARS
吉本芸人のすっちーさん 愛車のハイラックスサーフはマンションの駐車…
advertisement
2026.05.04
すべての部屋から海が見える平屋の家。晴れた日には富士山と伊豆大島を望む、夫婦二人で耕すように育てる美意識の別荘
2026.05.03
吉本芸人のすっちーさん 愛車のハイラックスサーフはマンションの駐車場で車中泊するくらい好き
2026.05.09
新型日産エルグランドを買うならブラックか、それともホワイトか 王道の2色が姿を現す
2026.05.03
吉本芸人すっちー、20年前のトヨタ・ハイラックスサーフを5カ月で大改造 全塗装から内装まで徹底カスタム
2026.05.07
メキシコではどんなクルマが売れてるのか 1位は業績不振に苦しむあの国産メーカーのコンパクトカー 三菱は5年連続販売記録を更新中