2021.06.22

CARS

女子だって俄然クルマ旅がしたくなる英国製GTカー、ベントレー・コンチネンタルGT&コンバーチブル!

女子会メンバーのクルマ旅

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英国貴族の子弟による欧州大陸旅行がグランド・ツーリングのルーツならば、コンチネンタルの名を持つGTは、まさに現代のグランド・ツアラーだ。英国ラグジュアリー・クーペ&コンバーチブルの女子座談会スタートです。

――GTカーとしてのクーペ&オープンを考えてみるというテーマの女性ジャーナリスト座談会です。飯田裕子さん、佐藤久実さん、竹岡 圭さん、藤島知子さん、吉田由美さんという女性ジャーナリスト5人に、ベントレー・コンチネンタルGTのクーペ&コンバーチブルを語っていただきます。まず、みなさんのグランド・ツーリング体験をちょっとお聞かせください。

藤島 一時期、年末年始の休みが出来ると海外をレンタカーでドライブするというのにハマッていました。イギリスの南部を2300kmぐらい走ったときに、初めて行った国を知るにはその国の道をクルマで走るに限ると思いました。景色はもちろん、人々の様子、食べ物、そして行き交うクルマを見たり、味わったりすることは、すごく刺激的でした。

現行のコンチネンタルGTは2017年のフランクフルト・モーターショーでデビュー。プラットフォームを完全に刷新したほか、4WDシステムがアクティブ・オンデマンド型となったり、先進安全装備を搭載するなど、先代に比べ大幅な進化を遂げた。

竹岡 オンナ友達と2人で東京から四万十川まで行った。四国でレンタカーを借りるより、東京から自分のミニ・クロスオーバーで行ったほうが面白いんじゃないかって。これにハマッて3度も行った。同行した友達はブンタンを60個も買ったんだけど、クルマだから全部積んだよ。

飯田 旅でも仕事でも公共交通機関を使うときは、荷物を少なくしたいからパッキングがちょっと憂鬱。でも、クルマで遠くまで行くなら、寒いときのために、あれを持って行こうとか、旅支度がすでに楽しい。遠くに行くほど天気や気温が変わるから。洋服の準備が楽しくできる。

藤島 由美さんは靴を何足もクルマに入れてますよね?

吉田 そう。だんだん増えてる(笑)クルマだと余計なものも積めて、旅先で着替える楽しみが増えるよね。





佐藤 鉄道マニアのなかで“乗り鉄”の人がいるでしょう? 新幹線もわざわざ「こだま」でゆっくり行くという人。私、あれは無理。新幹線だったら「のぞみ」でシュッと目的地に着きたい。ところが、クルマだと途中で「道の駅」に必ず寄っちゃう。それが苦にならない。


吉田 そうそう。それは時間のロスではないのよ。

藤島 グランド・ツーリングって最短距離で点と点を結ぶんじゃなくて、気持ちに余裕を持って行くものなのかもしれません。

竹岡 いまの季節なら桜とともに北上するとか、いいよね。クルマは自分で運転しているから脇道へそれても楽しいんだよ。それから、どのクルマで行くか? というのも影響する。軽自動車だったら、長距離は嫌でしょう?





藤島 東京から九州の大分にあるオートポリス・サーキットまで、軽のレースカーを自走して行ったことがあります。もう、筋肉痛が!


吉田 それは若いから出来たんだよね。あと、一度いいクルマに乗ってしまうと、あえて苦労する方を選ばなくなる。

居心地が素晴らしい

――ということで、ベントレー・コンチネンタルGTの話に移りましょう。


吉田 なんと言っても、コンチネンタルという名前だから、これこそグランド・ツーリングにピッタリのクルマだよね。



藤島 もう、本当にその通りですね。しかも、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)まで付いてて、快適至極です。


竹岡 あれ、ブラインド操作でもすごく使いやすい。

藤島 ストレスになる部分は運転支援に任せることができ、自分で走りたいときは自分で操ればいい。長距離となると集中力が大事ですしね。

佐藤 体力的に疲れてくると、集中力が落ちるじゃない。だから疲れないって大事だよね。

一同 大事、大事。


藤島 レースも身体を鍛えてないと、酸素が筋肉に使われて、脳に行く分が足りなくなるって聞きました。

息をのむほど美しいコンバーチブルのインテリア。シート・ヒーターとエア・スカーフをオンにすれば、オープン状態で高速走行をしても寒さを感じず快適だった。たっぷりとしたシートは硬すぎず、柔らかすぎず、掛け心地が素晴らしい。極上の乗り心地と、ガサツな振動など微塵もない滑らか至極の12気筒エンジンのフィーリングで天にも昇る気持ちになる。

トランク容量は235リッター。

飯田 その点、今日乗った2台は素晴らしい。


吉田 すごくラク。

佐藤 走りがすごくラクチンなだけでなく、走り出す前にあの室内空間の雰囲気に癒される。クオリティがすごい。これぞクラフツマン・シップだなあって。

藤島 さっき裕子さんと2人でコンバーチブルをドライブしたんです。リドリー・スコット監督の『テルマ&ルイーズ』という映画を思い出しました。女性2人がアメリカ大陸をドライブして、いろいろなことが起きる映画なんですけど、オンナ同士でこれをドライブするのはステキだと思いました。

吉田 オープン・カーなのにトランクに結構荷物を積めるから嬉しい。

藤島 後席も2人座れます。

飯田 後席に座った人も優雅な空間を享受することができる。ベントレーの品と粋を感じた。



佐藤 ドア・トリムやシートのレザーにひし形のステッチがあるでしょう? あのステッチを実現するためにミシンから開発したんだって。


飯田 あれは「ダイアモンド・イン・ダイアモンド」って呼ばれてるんだけど、ステッチにより革が縮む分を職人が計算してレザーを裁断する。そういうことを全部、人がやってる。お裁縫する人がファクトリーのなかにいて、レザーの裏には自分のサインを入れるんだって。それを代々受け継いでいる。人の手で作ったものだから、柔らかさがあるんだよね。

吉田 ユーカリなどの希少性の高い素材も使っていて、贅沢の極みのようなクルマだよね。

佐藤 しかも豪華なのに威圧的ではない。そこがベントレーのすごいところだと思う。

藤島 心地よくさせてくれるんですよね。



吉田 そうそう。温もりがあるのよ。


飯田 これみよがしじゃない。

竹岡 贅沢をわかってる人が作ってる感じがするよね。

佐藤 だから品があるんだよね。

飯田 コンバーチブルの幌も2色の糸で織っている。そういうところにおカネを惜しまない。

吉田 あそこまで品があって豪華で居心地がいいと、新幹線じゃなくてこっちで行こうか? と思う。

飯田 北海道の絶対泊まりたいホテルへあえて行くとかね。そういう旅をしたくなる。

藤島 ワタシ、それ行きたい!

竹岡 出かけたくなるクルマだよね。ああ、これにおカネ払ったんだなって納得できる。

4リッターV8ツインターボは、770Nmの最大トルクをわずか2000rpmで発生する。

V8とW12


飯田 クーペはV8でコンバーチブルはW12だったじゃないですか。味わいがまったく異なるエンジンで、その作り分けもすごいと思った。

竹岡 V8は軽やかだよね。

飯田 V8はポルシェ・パナメーラと同じなんですけど、トルクの出方とか吹き上がりとか全然違うと思った。ポルシェの方がキビキビしている。ベントレーは奥深いというか。

藤島 AMGのV8とも全然違いますよね。あっちはもっとアリアリと獰猛さを伝えてくる。コンチネンタルGTのV8は上品で、そこがたまらなかったなあ。



吉田 12気筒はどう? トモちゃんが持っているアストン・マーティンのV12とはどう違うの?


藤島 やっぱり、ベントレーのしっとりとした感じは、アストン・マーティンとは全然違う世界ですね。

佐藤 アストンの12気筒の方が野蛮な感じがしない?

藤島 普段はものすごくジェントルなんですけど、踏み込むとそうですね。

佐藤 そうそう。アストンのV12は裏に野蛮さが隠れてる感じ。

竹岡 俺、スポーツカーだから的なところがあるよね。

藤島 コンチネンタルGTのW12は奥ゆかしさを感じる。

佐藤 あのクラスのクルマを買う人は一番高いのを欲しがるから、W12を選ぶと思う。でも、乗ってみるとV8は軽やかで走っていて気持ちがいい。グランド・ツーリングに行くならどっちが気持ちいいだろう?



竹岡 ワタシはV8かな。自分の好みのインテリアにしてオプション、バンバン付ける。


藤島 アストン・マーティンのV12を持っている自分としては、V8かなと。日本の速度域だとW12は回しきれないし。

飯田 新しく搭載されたV8は本当に素晴らしい。以前のV8とは比べ物にならない。GTカーとしてV8は最高だと思う。

佐藤 いまだったらW12かなあ。もう少し若かったら、鼻の軽いV8を選んでた。ハンドリング重視でね。クーペか? コンバーチブルか? は、コンバーチブル。空気や景色が綺麗な瞬間にしか開けないと思うんだけど、そのためにコンバーチブルを持っていてよかったと思う。しかも幌を閉めると、コンバーチブルだということを忘れるほど、クオリティが高い。



藤島 路面のうねりを乗り越えるときの動きとか素晴らしいですよね。


吉田 大黒PA駐車場の段差を乗り越えたときにすごいと思った。まるでフラットな路面みたい。

佐藤 脚がすごく動いているけど、ボディはフラットな感じ。あの乗り味が素晴らしい。

竹岡 クーペもコンバーチブルもV8とW 12 を両方出してくるっていうのが、すごいと思った。イギリスしかカー・ガイって言葉はないと思うんだけど、本当にこの人たち、クルマ好きなんだなって思う。

吉田 なんか、京都の人みたい。

一同 えー(爆笑)!


吉田 当たりが柔らかくて芯が強い。

イギリス車の味わい


佐藤 実は少し前にコンチネンタルGTコンバーチブルで伊豆に1泊2日の取材に行ったの。目的地に向かって移動する間、クルマのなかの空間と時間を常に楽しんでいる実感があった。W12はもちろん、ものすごくハイパワーなんだけど、40km/hで走ってても全然苦じゃない。急かされない。時間をすごく贅沢に使っている気がした。早く行こうよとか、スピード出そうという気にならないんだよね。

贅を尽くしたインテリア。きらびやかで豪華だが、けっして派手すぎないところがベントレーらしい。シートやドア・トリムに採用されているひし形のキルティング・パターンは「ダイアモンド・イン・ダイアモンド」と呼ばれ、この模様を美しく実現するためにミシンまで開発された。





吉田 クルマとの濃密な時間が流れて、それが本当に心地いい。ドイツ車は速く、効率よく、安全に、というのがキチッと順守されている感じがするけれど、イギリス車はいい意味で隙がある。余裕を感じる。

飯田 メルセデス・ベンツSクラスは計算しつくされた豪華さがある意味いい。そういうキチッとした感じとは違う柔らかさがベントレーにはある。行間を楽しむっていうか。フランス車にはフランス車ならではの豊かさがある。センスだったりね。そういう違いが面白い。

佐藤 私は精密な工業製品としてはドイツ車に勝るものがないと思う。由美ちゃんはさっき“隙”って言ったけれど、カッチリとしたドイツ車とは違う乗り味がちゃんとある。それを工業製品として出しているベントレーの技術が私はすごいと思う。私はドイツ車の緻密な無機質さに対して、有機的な感じって言うんだけど、それは計算しつくされたうえで出しているんだと思う。



飯田 今日乗ったコンバーチブルの紅白内装は派手だけど品がある。あれは絶対にイギリス車が持っているものだと思う。アストン・マーティンもすごくパッションを感じるのに、ギトギトしてない。それをもっとまろやかに豊潤な感じにしたのがベントレーだと思う。


吉田 ベントレー・コンチネンタルGTでグランド・ツーリングに行くのが似合う人になりたいよね。

飯田 あのコンバーチブル、久実さんに乗って欲しい。すごく似合うと思う。

竹岡 じゃあ、買ってくれる人を探そうか。

一同 大爆笑!


吉田 グランド・ツーリングは寄り道が楽しいけど、人生はもう寄り道しないで行きましょう!

――ああ、人生はグランド・ツーリング。お後がよろしいようで。

語る人=飯田裕子+佐藤久実+竹岡 圭+藤島知子+吉田由美司会とまとめ=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

■ベントレー・コンチネンタルGTV8
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4880×1965×1405mm
ホイールベース 2850mm
車両重量 2260kg
エンジン形式 V型8気筒ツインターボ
総排気量 3996cc
最高出力 505ps/5750~6000rpm
最大トルク 770Nm/2000~4500rpm
変速機 8段デュアルクラッチ式自動MT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/エア
サスペンション 後 マルチリンク/エア
ブレーキ 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 265/40ZR21305/35ZR21
車両本体価格 2690万円


■ベントレー・コンチネンタルGTコンバーチブル
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4880×1965×1400mm
ホイールベース 2850mm
車両重量 2450kg
エンジン形式 W12気筒ツインターボ
総排気量 5945cc
最高出力 635ps/5000~6000rpm
最大トルク 900Nm/1350~4500rpm
変速機 8段デュアルクラッチ式自動MT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/エア
サスペンション 後 マルチリンク/エア
ブレーキ 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 265/40ZR21305/35ZR21
車両本体価格 2999万7000円

(ENGINE2021年6月号)

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