2021.06.26

CARS

イタリア名門カロッツェリアのスペシャル・ボディをまとった18台の特別なフェラーリ

トゥーリング社の95周年記念モデル

イタリアのカロッツェリア、「カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ」(以下トゥーリング)が、新型モデルの「アレーゼRH95」を発表した。このクルマは、1966年からの休止期間を経て2006年に復活したトゥーリングが1926年にミラノで立ち上げられてから95周年を迎えることを記念して製作された。

再生されたトゥーリングは2012年発表の「ディスコ・ヴォランテ・クーペ」以降、エアロと銘打ったモデルレンジを構築。2020年にはフェラーリF12をベースにした「エアロ3」を発表している。アレーゼRH95はこのエアロ・シリーズの次世代モデルに位置づけられる。







ボディ外板はドライ・カーボン製

ボディ・サイズは全長4782×全幅1982×全高1259mm、ホイールベースは2650mm。車両重量は未公表だが、超軽量を意味する「スーパーレッジェーラ」を社名に掲げるだけあって、ボディの外板にドライ・カーボンを用いることで車両重量の低減を図っている。カーボンは強度と重量のバランスを考慮し、部位ごとに厚みと編み込む繊維の方向を最適化している。

トゥーリング・スタイルセンターのディレクターであるルイ・ドゥ・ファブリベッカーズは、これまでのエアロ・シリーズのデザイン要素が反映されていると語る。たとえば、フロント・グリルやヘッドライトの形状はエアロ3、ノーズからボディ・サイドへ連続性を持たせたアルミのモールはディスコ・ヴォランテにみられた造型だ。

スタイリングは、フロント・カウルが前方、リア・カウルが後方へ開き、ドアはルーフの一部とともに上方へ跳ね上がる。その姿は、アルファ・ロメオ33ストラダーレを彷彿させるところがある。ルーフ上のエア・スクープは、リア・ミドシップのエンジン・ルーム内へ走行風を導き、強制的な空気循環を最適化する実用性も兼ね備えた設計だ。









ベース・モデルはフェラーリF8トリブート

ベース・モデルになっているのは「誰もが知るエキゾティックなミドシップ・エンジン車」としかアナウンスされていないが、ダッシュボードやステアリング・ホイールの形状は、それが現行のV8フェラーリ、F8トリブートであることを示唆している。しかし、そのインテリアはエアロ・シリーズの「コクーン・コンセプト」に基づき、運転席と助手席を明確に区切るコンソールを設置するなど、独自性を強めている。

エンジンは720ps/770Nmを発生するV8で、デュアルクラッチ式7段自動MTを介して後輪を駆動。0-100km/hは3秒以下、最高速度は340km/hに達すると言う。これらのスペックはフェラーリF8トリブートとほぼ同一だ。





好みのデザインにカラーリングできる

今回の1号車は、グリーンのボディにサフラン色のアクセントが入り、インテリアはキャラメルとココアの2色でまとめているが、ペイントや内装の色とマテリアルはかなり自由に選択できる。ちなみに、2号車は1960年代のアルファ・ロメオのレース・カーをイメージし、8Cコンペティツィオーネのレッドに、フロントまわりに白いアクセントを加えたカラーリング、4号車はシルバーのボディに赤いストライプで仕上げられるという。

ベース車持ち込みによる架装が基本だが、ベース車の手配込みでもオーダーできるという。総生産台数は18台が予定されている。









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(ENGINE WEBオリジナル)

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文=関 耕一郎

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