約100平方メートルの細長い敷地に建つ、段々になった個性的な建物。まるでカフェのようなおしゃれな家。
全ての画像を見る
雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、約100平方メートルの細長い敷地に建つ、段々になった個性的な建物。まるでカフェのようなおしゃれな家には、アウトドア派のご主人と、雑貨を集めることが好きな奥様のこだわりが詰まっている。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。下町の雰囲気が残るエリアにアスレチック・トレーナーの引網善久さん(47歳)一家のお宅。東京都足立区の下町の雰囲気が残るエリアにあって、この外観はかなり目立つ。段々になった建物は、無機質なグレーのうえ小さな窓しか無い。整った形や植栽のセンスから、ガレージのクルマが見えなければ、多くの人は商業施設と思うことだろう。一体この家の内部は、どうなっているのか。そんな引網邸が生まれたのは、様々な問題を建築家と共に解決した結果である。この家の設計を担当したのは、建築事務所I.R.A.(国際ローヤル建築設計)の綱川大介さん。10年ほど前、腰を悪くして苦しんでいた。それを治したのが、「ゴッドハンド」の持ち主である引網さんだ。引網さんは陸上競技の日本代表チームの遠征に帯同した経験もあるほど。かなりの腕と推察した。綱川さんに設計を依頼したのはこうした縁だけではない。手掛ける住宅がお洒落で、SNSでサーフィンなどのアウトドア・ライフを楽しんでいる姿を見ての話だ。実は引網さん、週に1、2度は出かけるほどのサーフィン好き。色々と理解してくれると判断したのである。メルセデス・ベンツGLC(2017年製)を選んだのも、サーフボードを積むため。仕事で移動することも含め、取り回しが楽なミディアムサイズのSUVにした。それまで乗っていたのはBMW X5。クルマ好きのお客さんから「メルセデスは違う。一度は乗るべき」と強く勧められ興味を持ったのだ。もっとも「BMWから乗り換えても運転が面白いか」との心配もあったが、全くの杞憂。運転を楽しんでいる。手放せないバイクそんな引網さんは、奥様から「ずっと乗っていないのだから、手放したら」と言われ続けているバイクのBMWクロスカントリー650を長く所有している。「モトクロスのバイクを操る楽しさも知っていますが、治療に訪れる方々を随分見ているので事故の怖さも知っています。だから娘ができた時、バイクに乗るのを止めました」と話すが、手放せない。そしてお嬢さんが小学校に上がる段になり、引網さんたちは家作りを考え始める。なんと言っても当時住んでいたようなマンションは「面白くない」。そこで、生まれてから今まで暮らしてきた足立区で土地を探し始めた。希望は治療院のある駅の近く。様々な選択肢を検討したが、ハウスメーカーの担当者から「その予算では、川を越えた埼玉県でないと建ちません」と言われて強く認識した。23区内の土地は高いが、重要なのは愛するこの町で暮らすことだと。土地代に予算を多くあてないといけないので、建築家にコストを抑えた家作りをお願いすることにした。幸いなことに生活道路に接した、駅に近い細長い約100平方メートルの敷地が見つかった。ここに幅190cm近いGLCと、手放せずにいるバイクも停められる家を作るのである。しかもシャッターのあるガレージはマスト。家の中は明るく、吹き抜けのあるリビングが希望だ。当然お洒落な家であって欲しい。こうした条件のうえ、予算の制限もある。建築家にとって相当に工夫が必要な仕事であるのは間違いない。▶「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」のおすすめ記事をもっと見る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
いますぐ登録
会員の方はこちら