2021.09.05

CARS

最高速度500km/h!? 世界限定40台で5億円オーバーの最速ブガッティ、ボリードが市販決定

アメリカ・カリフォルニアで行われるモントレー・カー・ウィークで開かれるイベントのひとつである「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」で、ブガッティが「火球」を意味するイタリア語を車名に持つ新型スーパースポーツカー、「ボリード」(BOLIDE)の生産決定を発表した。2020年登場し、500km/h以上のトップスピードを謳った実験車の市販バージョンである。これは多くの顧客からの要望に応えた決定だという。

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シミュレーションでは最高速度500km/hオーバー

ボリードは、「ブガッティが誇る8.0リッターW16エンジンを軽量な車体に積んだらどうなるか」、という発想から生まれた。車両重量をシロンの約2トンから1240kgにまで絞ったボディに、シロンよりも350ps/250Nmパワーアップした最高出力1850ps/7000rpm、最大トルク1850Nm/2000-7025rpmの8.0リッターW16クワッドターボを与えることで、シミュレーション・データでは0-100km/hが2.17秒、0-500km/hが20.16秒という途轍もない数字を叩き出した。







パワー・ウェイト・レシオは0.9kg/ps!

量産版はシロンの高出力・高性能版の「スーパースポーツ300+」と同じ1600ps/1600Nmとなるが、これは実験車が110オクタンのレース燃料を使用していたのに対し、98オクタンの市販ガソリンに適合させたため。とはいえ、この並外れた最大トルクは2250rpmから発生する。それでいて、チューニングはサーキット向きの高回転志向で、素早さと自然さを両立した極限のレスポンスを生む吸排気システムを装備するという。エンジンと4つのターボ、トランスミッションとデフそれぞれの冷却系も改良される。

車両重量は実験車より増加するが、それでも1450kgにとどまり、パワー・ウェイト・レシオは0.9kg/psでしかない。この軽さで前人未到の超高速走行を可能にするべく空力性能も追求。ハイパーカーよりむしろF1マシンを彷彿させるノーズやエア・ダクト、ルーフ上のエア・インテークとその後ろに伸びるフィンなどの実験車に取り入れられたディテールは市販版にも実装されるだろう。もちろん、強力なダウンフォースとトラクションを発生させるという、リアの巨大なウイングとディフューザーもだ。





究極のドライビング・マシンはクローズド専用

安全性はFIA基準に準拠し、HANSシステムへの適合性や自動消火器、6点式ハーネスを装備。また圧力式給油装置やセンターロック・ホイールも備えるなど、まるでレース・カーのような内容だ。もちろんクローズド・コースでなければ本領は発揮できないだろうし、ブガッティは市販モデルのボリードをサーキットに向けた究極のドライビング・マシンだと説明しているので、ロードカーにならない可能性は高い。

現在は2024年の納車開始に向けて開発が進行中で、生産台数は40台とアナウンスされている。そしてその価格は、400万ユーロ(約5億2000万円)となる予定だ。





文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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