2021.11.03

CARS

キャンプでも日常使いでも大人気!! ランドローバー・ディフェンダーを語り尽くす!


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村上 今回は今日本で買える3種類のディフェンダーに乗ったわけですが、各車予想以上の違いがあって私も驚きました。塩見さんの車はガソリン仕様ですよね。

塩見 国内導入当初は90のデリバリーが遅れていたため、直4ガソリン・ターボの110しか選択肢がなかったんです。海外では今や直6ガソリンのマイルドハイブリッドやV8スーパーチャージャー搭載モデルもあります。90と一緒にデリバリーが始まった110の直6ディーゼル・ターボはマイルドハイブリッド付きですから、一番贅沢な直6です。

村上 この6気筒ディーゼル・ターボはめちゃくちゃ出来がいいですよね。

塩見 同感です。ただ、ガソリン110オーナーが言うとなんですが、エンジンだけが主役でないところがディフェンダーの素晴らしいところだと思うんです。頑強なアルミモノコックとエアサスがやはり魅力で、ちょっと前のレンジローバーよりも乗り心地がいいと思います。現時点では瞬間風速で今最も素晴らしいランドローバーじゃないですか。

村上 確かに高級車感がある。それに比べると4気筒の90はカジュアルで軽快です。110の方は高級車だけど重たいな、軍用ブーツみたいだなと思いましたが、90は競技用シューズを履いたアスリートのようで、スポーツカーと言ってもいいかと感じました。

車体を横方向から眺めると90と110の構造の違いがよく分かる。Aピラーは以前は共通だが、フロント・ドアのサイズが異なる。

塩見 試乗した6気筒ディーゼルの110はトップグレードなので、ガソリン4気筒の90と比べると400kgぐらい車重が違いますから、それも当然です。ただ90はリアアクスルの上にシートがあるので居住性は劣ります。荷室も狭く、2+2と考えた方がいい。

村上 プロポーションとしては90のほうが奇妙だけれど楽しさもある。

高平 どちらも特徴がはっきりしていて、しかも濃い。現代は皆丸くおさまるように優等生的な商品が多い中、英国は自分勝手というか独善的というか、そんな強い個性に惹かれるという面はあると思う。

塩見 英国資本の自動車メーカーは事実上もうないのに、クルマはますますイギリス車らしくなっている。

高平 改めて交渉上手というか、資本と経営のコントロールが上手いというか、その手腕に感心する。10年以上前、タタ・グループ傘下に入った時にはこの先ジャガーもランドローバーもどうなるのか? と危惧されたのがウソのようだ。

塩見 このディフェンダーも実はスロヴェニアの新工場製です。資金も人も他の国を上手に使っています。

村上 まさにその辺が感心するというか、不思議に思うところだな。BMWもVWも英国の代表的なブランドを傘下に持ち、今やかつてよりもイギリスっぽいものを作っている。ドイツ人が英国的とは何か、ミニ的なものは何だろうと考え抜いて、よりイギリス的な車を生み出しているじゃないですか。



塩見 そう言われるとディフェンダーはミニの復活に似ていますね。そのまま形だけを復活させたわけではない。

高平 まあ、イギリスと大陸側は互いにけむったく思いながらも、憧れを持ち続けてきた長い歴史がありますから。それはクルマに限ったことではない。

村上 英国人はフランス人とはうまくいかないが、ドイツ人とは相性がいいという話を僕も聞いたことがあります。そういえばビートルズもまずハンブルグで人気が出たし、昔のイギリス王室にもドイツ系というか大陸の血が入っているものね。いや、ちょっと脱線しました。

Gクラスもジープ・ラングラーも大人気

塩見 ディフェンダーの人気にはやはり現在の世の中の雰囲気が影響していると思うんですよ。クルマってスポーツカーだけじゃないよ、飛ばすだけじゃないよ、しかもCO2をとにかく減らせっていうプレッシャーが強い。今はヘビーデューティーなSUVに人気が集まっているじゃないですか。Gクラスもラングラーも大人気ですが、それには、もうCO2ばかり気にするのは疲れちゃった、もうちょっと好きなのを乗らせてくれよ、なんていう気持ちが背景にあるような気がするんです。



村上 その通り。『エンジン』のHOT100の結果で注目すべきはライトウェイト・スポーツカーとイギリス車が上位を占めていることだけど、ライトウェイトの本家本元も英国のロータスやMGだからね。コンパクトでシンプル、エンジンのパワーは別にたいしたことないけど、走らせるととにかく楽しい。時代がそういった独特の、しかも手が届く個性を尊重するようになってきたということかもしれない。だって911が7位だよ、しつこく繰り返しちゃったけど。

塩見 ドイツ勢が技術的な競争を突き詰めすぎた結果かもしれないですね。それに対してイギリス勢のほうがよりエモーショナル。911なんて今ではルックスも性能も本当にスーパー・スポーツカーです。ナローの時代を思えば、初代ディフェンダーと新型ぐらい違います。

高平 くっきり明らかな、そして現実的なギリギリの夢というのがポイントでしょう。ディフェンダーだってエリーゼだって、一般人にも頑張れば何とかならない価格でもない。

塩見 何しろ僕が届いちゃったわけですから。これが1000万円だったらはなから手が出ません。それに比べると911は素のカレラでも軽く大台オーバーです。



高平 それからやはりクルマは作り方だなって思うのは、インテリアなんてこんなにプラスチック然としているのに、誰も新型ゴルフのように安っぽいと責めたりしないこと。

塩見 そういえばドアのインナーパネルのボルトというかビスも、あれは実は飾りです。あのビスを緩めてもドアパネルは外れないそうです。

高平 いっぽう進行方向直下の合成映像を映し出すクリアサイトビューなどは非常に良くできている。斜め後ろからのアングルの走行映像も、役に立つカメラアシストの機能だよね。

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