「美しいものは売れる」ジャガー創業者の言葉に思わずうなづく！　変わらないジャガーの魅力とは

著者をフォロー
記事を保存

全ての画像を見る

荒井　今日乗った最新モデル2台は2座クーペのFタイプRと、SUVのFペイスSVR。どちらも5リッターV8＋スーパーチャージャーを搭載するハイパフォーマンス・モデルだから、ラインナップのなかでも特別な2台ということになる。

桐畑　まずFタイプですが、2020年のマイナーチェンジでますますカッコよくなったという印象です。

荒井　縦長だったヘッドライトが横長になり、切れ長の目になって男前になったよね。それに合わせるかのようにテールランプも薄くなった。リア・スタイルは抜群にカッコイイと思う。

桐畑　FタイプRはマイナーチェンジでエンジンの最高出力も550psから575psに引き上げられました。

荒井　実は撮影前に首都高速を走ってきたんだけど、4000rpmから上が気持ちいい。ドロドロというV8のサウンドがクォーンという咆哮に変わって目覚める感じ。ハンドリングは決してクイックでシャープな印象ではないんだけど、ステアリング操作やスロットルの開閉に伴うクルマの動きが自然で気持ちいい。

桐畑　なるほど。

荒井　自分で操ってる感が強いからドライブ・モードを「ダイナミック」にして、8段ATをパドル操作しながら積極的にドライブしたくなる。

桐畑　乗り心地は硬かったなあ。

荒井　ノーマル・モードでも硬いんだよ。よりアクティブに運転した方が、乗り心地の硬さが気にならなくなるんだ。

桐畑　2リッター直4ターボのFタイプはRほど硬くなかった。海外試乗会でMT仕様に乗ったんですけど、これが本当に楽しかった。まさに大人のハチロクという感じで、ジャガーのスポーティネスって、さりげなく気持ち良いところだと思いました。

荒井　スポーティなテイストはジャガーの信条だけど、ドイツのスポーツカーと比べるとちょっと古臭い感じがしないわけでもない。桐畑君がFタイプに乗ってハチロクみたいだと感じたのも、それがあったのかもしれない。

Fペイスに乗っている女性がいたら、それはカッコいい

桐畑　Fペイスも海外で乗ってハンドリングのよさに痺れました。ジャガーは初のSUVでもこういうのが作れるんだって感心した。それは今回のSVRだとさらに磨かれていて、パワーもあるから大きさや重さをあまり感じさせない。

荒井　Fペイスは今年2月にマイナーチェンジしたばかり。フロントグリルが大きくなって、こちらも精悍な顔つきになった。5リッターV8スーパーチャージド・エンジンを積むSVRは8段ATのトルクコンバーターや電子制御を見直して、走行性能がさらにアップしている。それにしても、艶消しのブリティッシュ・レーシング・グリーンのボディはすごい迫力だね。

インフォテインメントシステムが最新のPiviProに進化した。

桐畑　Fペイスの5リッターV8は550psで、2110kgもあるのに0-100km／h加速は4・3秒。もうめちゃくちゃ速い。それこそ、ぶっ飛ぶ感じ。コーナリングも背の高いSUVとは思えないほど気持ちいい。でも、FタイプR同様にキレッキレな印象ではないですね。

荒井　ポルシェ・マカンGTSやBMW　X3Mみたいにビシッと、スキのない感じではないんだよね。もうちょっと鷹揚な感じ。

桐畑　スポーツカーにしろ、高性能SUVにしろ、ドイツのプレミアム・ブランドのクルマはドライバーより頭が良く、無駄な動きはしない感じがします。

荒井　ドイツ車は何より機械としていい。クルマはもちろん機械だからそれでいいし、イギリス車ももちろん機械ではあるんだけど、そこだけじゃない。便利な道具じゃなくてなにが悪いのって。

桐畑　そこの開き直りがいい。

荒井　ほんとほんと。だって僕のXJSなんてあんなでかくて12気筒を積んで2人しか乗れないんだよ。自動車の根本的な概念が、ドイツ車と違うんだよね。

桐畑　ドイツ車は機械としてすごく真っ当で、それを選ぶ人も真っ当。

荒井　でも、そこを第一に求めない人には、FタイプRやFペイスSVRみたいなぶっとんだのを選んでほしい。

桐畑　たとえば「私、ポルシェ・マカン乗ってます」という女性がいても驚かないけど、「FペイスSVR乗ってます」という女性がいたら、えっ？　なになに？　って思う。

次ページ　>　スタイリングが素敵なのは、今も昔も変わらないジャガーの魅力