自動車メーカーとのパートナーシップやモータースポーツの公式計時など、いつの時代も時計とクルマは親密な関係を結んできた。それだけに人気のスポーツウォッチにもクルマ関連モデルが実に豊富だ。そこで今回はドライブで気分を上げるコラボモデルやクロノグラフに注目し、時計ジャーナリストの菅原茂氏とエンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。
パートナーシップに計測機能 ステアリングを握る手元で輝く
時計とクルマの関係を辿れば世紀の早い時期にまで遡るから、けっこう長い付き合いだ。1920年代にはすでにハンドルを握りながら時刻が読み取りやすいドライバーズウォッチと呼ばれる時計が作られ、計測機能が備わるクロノグラフは、初期のスピード競技から戦後の本格的なカーレースで大いに活躍し、クルマ関連の名作も数多く誕生した。カーウォッチに劇的な変化が訪れたのが21世紀だ。自動車メーカーとのコラボモデルでは、車両の特徴をデザインのディテールに取り入れたり、自動車産業やF1のレースカーに用いられるハイテク素材でケースやダイアルを作ったり、さらには自動車メーカーの設計チームが時計の開発に関わるなど、今や時計がますますクルマに接近しているのだ。時計産業における最近の精密機械技術の飛躍的な進歩もこうした革新的なカーウォッチの実現を支える。クルマ好きなら、そんな魅力的な本格時計を欲しくなるだろうし、クルマの特別な世界観を味わいたいと思う時計好きも増えるに違いない。時計の機能でクルマと最も結びつくものといえばクロノグラフだ。すでに述べたように、世紀のクロノグラフ腕時計の多くがモータースポーツとともに発展したといっても過言ではないのだ。クロノグラフは、たとえ精密な計測機能を使わなくても、計器を思わせるダイアルデザインに独特の魅力があり、ドライブ気分を一段と高めてくれる。豊富なデザインからお気に入りを探し、愛車とコーディネートするという新たな楽しみ方だってアリだろう。)
パートナーシップで加速する技術交流
最近もモータースポーツや自動車メーカーとのパートナーシップが盛んだ。F1グランプリレースに参戦しているアルピーヌと組むフランスのベル&ロス、片やメルセデスAMGと組むのはドイツ色が強いスイスのIWC。どちらも素材やカラーでハイテク感を打ち出すが、個性の違いが歴然としていてこれまた興味深い。最先端のスタイルを創出してその極致を行くのはリシャール・ミルとマクラーレン、あるいはジラール・ペルゴとアストンマーティンだ。洒落たデザインを通じてクルマのイメージを喚起するタグ・ホイヤーとポルシェ、ブライトリングとベントレー、ショパールとミッレ ミリアからもクルマ好きには見逃せないモデルが続々と登場している。
BELL & ROSS×ALPINE F1(R) TEAM
ベル&ロス×アルピーヌF1(R)チーム)
BR-X1 A521
ベル&ロスは、ルノーF1チームから改名して今年のレースに参戦するアルピーヌF1(R)チームとパートナーシップを結び、公式計時も担当。これを記念するクロノグラフは、アルピーヌが参戦用に開発したF1カー、アルピーヌ A521の世界観を投影しながら、ダイアルにはチームの基本的なカラーコードのブルー、ブラック、ホワイトをアレンジ。また、チームのドライバーとスタッフは特別モデル2021シーズンを通して着用する。自動巻き。ラバーインサート付きPVDチタン+セラミック、45mm×45mm、100m防水。世界限定50本。262万9000円。)

アルピーヌのコレクションは上のモデルを含め、3本のクロノグラフから成る。上/BR V3-94 A521 自動巻き。ステンレススティール、ケース直径43mm、100m防水。世界限定500本。52万8000円(ブレス仕様57万2000円)。下/BR 03-94 A521 自動巻き。ステンレススティール、42mm×42mm、100m防水。世界限定500本。74万8000円。
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