2022.05.03

CARS

ポルシェの「RS」モデルとは、どんなクルマなのか?【ENGINEアーカイブス:ポルシェ911】

ポルシェGT3カップチャレンジに、タイプ997のGT3カップカーでフル参戦した経験もある島下泰久氏。

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雑誌『エンジン』に掲載された人気の記事をピックアップしてお送りする貴重なアーカイブ・シリーズ。今回は、2018年7月号に掲載されたポルシェの「RS」の記事を取り上げる。1973年の911カレラRSから最新のポルシェ911GT3RSまで、RSの魅力を当時の自らの愛車、993型RSクラブスポーツを軸に島下泰久が綴った。

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ポルシェのレーシング・スポーツとは?

ポルシェの「RS」とはドイツ語のレン・シュポルト、英語ではレーシング・スポーツを意味する。単に五感やイメージで付けられているのではなく、ポルシェの場合それは実際にレーシング・カーのベース車両を指す名称だ。

市販車としてRSの名が冠された最初のモデルは1973年式911カレラRS、伝説の“ナナサンカレラ”である。目的は当時のグループ4ホモロゲーション取得だった。そして1983年にはグループBラリーカーのベース車となる911SC/RSが登場。更にまた10年の歳月を経て1992年にはタイプ964に久々の911カレラRSが設定される。これはちょうど始まったワンメイク・レース、ポルシェ カレラカップ用マシンのベース車だった。



1994年に登場したタイプ993の911カレラRSも、やはりカレラカップ、そしてF1サポート・レースのポルシェ スーパーカップ用として開発されたものだ。遮音材を省くなど軽量化した車体に積まれるフラット6ユニットはタイプ964と違って内部にも手が入れられ、排気量をカレラの3.6リッターから3.8リッターに拡大。最高出力を272psから300psに高めている。サスペンションは車高調整式とされ、更に日本向けには本国仕様クラブスポーツ用の大型エアロ・パーツが装着される。

私が所有して今年で10年になる、このカレラRSは当時並行輸入された、そのクラブスポーツ。外観は日本仕様カレラRSと変わらないが、見ての通り内装材はほとんど無く天井も鉄板剥き出しで、何点式か数えられないほどのロールケージもボルト留めではなく溶接固定されている。ボディの剛性感の高さは、それはもう半端じゃない。

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