2022.01.20

CARS

電動化されていない最後のロード・ゴーイング・マクラーレン!? 765LT スパイダーにスペインで試乗!!

マクラーレン765LT スパイダー

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翌日のサーキット走行は爽やかな秋晴れの下で行なわれた。コース・コンディションはドライ。タイトなヘアピン・コーナーから大きく回り込む高速コーナーまでを備えたナヴァラは765LTのポテンシャルを見極めるのに絶好のコースだ。

ここで765LTが示したハンドリングは、まさにマクラーレンらしいもの。ステアリングの応答をいたずらに過敏にすることなく、自然な反応と優れたリニアリティを示してくれるので、乗り始めた直後から自信を持って操れるのも嬉しいところ。インフォメーションも豊富で、フロントタイヤが路面を捉えている様子が克明に伝わってくる。いずれもマクラーレンの伝統に従ったものだ。

路面のμが高いサーキットで、しかもドライコンディションでの走行とあって、前日のように唐突に滑り始めることは皆無。すると、コースに慣れてきたところで、助手席に腰掛けたインストラクターがスタビリティ・コントロールを解除し、720Sで登場したバリアブル・ドリフト・コントロール(VDC)を設定してくれた。これは、リアタイヤのスリップアングルが一定量に達したところで穏やかにスタビリティ・コントロールが介入するもので、テールスライド時のコントロールを安全に習得するのに役立つ優れたシステム。この状態でもリアのグリップレベルは極めて高いのだが、限界域でラフなコントロールをするとサーッとリアが流れ始めて素早いカウンターステアが要求された。これに比べると720Sは滑り出し直前の感覚がより掴みやすく、スライドのスピードもより緩やかだったと記憶する。

ドライバーが油断するといとも簡単に限界を越えてしまう765LTの特性は、トップエンドでパワーがわき出すエンジン特性とギアレシオを低めた効果によるものだろう。つまり、720Sよりもシビアなスロットル・コントロールが求められるわけだが、これぞサーキット向けに特別にチューニングされた765LTに相応しいキャラクターといえるのではないか。そのダイナミックで骨太な世界観は、自動車の大変革期を直前に控えたいまこそ味わうべきものかもしれない。



■マクラーレン765LT スパイダー
駆動方式 エンジン・ミドシップ縦置き後輪駆動
全長×全幅×全高 4600×1930×1193mm
ホイールベース 2670mm
トレッド(前/後) 2161mm/2059mm
乾燥重量 1278kg
エンジン形式 水冷V型8気筒DOHCターボ
排気量 3994cc
最高出力 765ps/7500rpm
最大トルク 800Nm/5500rpm
トランスミッション デュアル・クラッチ式7段自動MT
サスペンション(前) ダブル・ウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) ダブル・ウィッシュボーン/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前/後) 245/35R19 / 305/30R20

文=大谷達也

(ENGINE2022年1月号)

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