2021.12.06

CARS

日産がさらに電動化を加速 2030年までに半数をEVとハイブリッドに

日産が長期ビジョンの「ニッサン・アンビション2030」を発表した。「共に切り拓く モビリティとその先へ」をスローガンにした、電動化を柱に据える事業計画の概要を明らかにしている。

2030年までに23車種の電動化モデルを投入

商品計画としては、2030年までに23車種の新型電動車投入し、このうち15車種が電気自動車(EV)となる予定。グローバル市場におけるニッサンとインフィニティ両ブランド合計で車種構成の電動車比率を50%以上に引き上げる。



欧州では4分の3を電動化モデルにする

これを達成すべく、2026年度までにEVとシリーズ・ハイブリッドの「e-パワー」を計20車種導入。電動車の販売比率は欧州で75%、日本で55%、中国で40%をそれぞれ上回ることを目指す。アメリカでは2030年までにEVのみで40%以上とする見込みだ。

このEVシフト実現に向け、今後5年で2兆円の投資を行うという。この巨額の費用をかけて、とくに力を入れるのがバッテリー関連の技術開発だ。



2028年度頃までに全個体電池を実用化

まず、既存のリチウムイオン電池はコバルトフリー技術の採用により1kWhあたりのコストを2028年度までに65%削減。また、同時期までに自社開発の全固体電池を実用化するべく、2024年度までに先行生産ラインを横浜工場内へ導入する。全固体電池のコストは1kWhあたり実用化時点で75ドル、その後、ガソリン車同等のコストを実現するべく65ドルまで引き下げることを目指す。

同時に、バッテリー生産能力を増強。2026年までに52GWh相当、2030年度までには130GWh相当へ引き上げたいとしている。こうした電動化の推進により、2050年度までには製品のライフサイクル全体でのカーボンニュートラルを実現することが、日産の大きな目標だ。



バッテリーの再利用も積極的に

さらに、スローガンに掲げる「その先」にあたるのが、バッテリーの持続可能な使用方法の確立。二次利用のための施設を日本国内のみならず、2022年度には欧州、2025年度にはアメリカでも展開する予定。2020年代半ばには電動車を活用した電源システムのV2Xと家庭用バッテリー・システムの商用化も実現したいとしている。

この事業計画には、もはや自動車メーカーといえども、クルマそのものの魅力だけでは勝負できない時代なのかと思わされる。だが、ユーザー目線で気になるのは新型車の出来栄えだ。そこを外さずに電動化が進むことを、願わずにはいられない。

文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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