2021.12.23

CARS

二酸化炭素量を80%削減 「コンセプト・リチャージ」はボルボの理想が詰まった次世代のEV

ボルボが2021年6月に発表した次期XC90を示唆するとみられるコンセプト・リチャージ。その目指すところや、それを実現するための技術などについてボルボがさら言及した。

会社として脱炭素化を進める

コンセプト・リチャージが提案するのは、将来的なデザイン言語や製品戦略だけではない。ボルボによると、電気自動車開発のあらゆる分野において、クルマ自体だけでなく会社としても脱炭素化を進めるために経るべきステップが示されているというのだ。



植物由来の素材を多用

わかりやすいところでは、バッテリー容量に頼らずに航続距離を拡大するために相対的な効率の向上や、環境負荷の少ない素材の採用が挙げられる。メカニズムでは利便性やスペースの効率化とのベストバランスを模索。素材では樹脂の補強や内装のテキスタイルなどを植物由来とし、再生産可能な動物性素材のウールやリサイクル原料も用いることで、レザーや化繊、プラスチックの使用量の大幅削減を目指している。

素材の見直しはタイヤにも及ぶ。走行性能や安全性能のみならず走行距離も左右するタイヤは、EVにおいてこれまで以上に重要度を増す。そうした性能を確保しつつ省資源化を実現するために、ボルボはピレリと協力し、非化石素材の比率を94%までに高めた専用タイヤを開発。鉱物油を使わず、天然ゴムやレーヨン、バイオ系のシリカやレジンなどを原料としている。さらに、効率向上に寄与する空力性能は、SUVらしい形状やEVならではの低床化による広い室内を実現しつつ改善を図る。



2040年にクライメート・ニュートラルを目指す

これらに加え、サプライチェーンの脱炭素化や製造プロセスと車両使用時のクリーンエネルギー活用を進めれば、ライフサイクルにおけるCO2排出量は2018年のXC60と比較して80%削減できると想定されている。

2030年までに全販売台数を脱炭素化を図ったEV置き換えようと計画しているボルボ。さらに2040年までには、CO2にとどまらず温室効果ガス全般の排出を実質ゼロとするクライメート・ニュートラルと、循環型ビジネスを達成しようとしている。コンセプト・リチャージは、環境に寄り添ったクルマ造りを本気で進めようという、ボルボの決意表明なのである。





文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement