2022.01.01

CARS

830馬力の魔性のV12エンジン! フェラーリ812 コンペティツィオーネにイタリア・フィオラノで乗った!!

フェラーリ812コンペティツィオーネ

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V12気筒をフロントに搭載するフェラーリの旗艦812に、上級モデルのコンペティツィオーネが加わった。イタリア、フェラーリの本拠地のサーキットで開かれた国際試乗会から、モータージャーナリストの西川淳が報告する。

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812コンペティツィオーネはすでに完売!

巷では“これが最後”と噂される自然吸気12気筒エンジンを積んだFR2シーターモデルのスペチアーレ=高性能限定モデル。クーペが999台、オープンは599台。812コンペティツィオーネと同A(アペルタ)は例によって完売御礼だ。



型式名をF140GAから同HBへと変えたコンペティツィオーネ用65度V12エンジンは、排気量こそ同じ6.5リッターながら中身はほとんど別モノだ。最高許容回転数はなんと9500rpm! ゴキゲンに回ったGAエンジンよりもさらに回る。

シリンダーヘッド、クランクシャフト、コンロッド、ピストン、バルブトレインといった主要なエンジン・パーツを設計し直した。吸排気システムもまるで違う。可変ジオメトリー吸気ダクトによってエア供給を最適化したほか、全く新しいエグゾースト・システムによりGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)起因のパワー・ロスと中高周波サウンドの劣化を抑えた。

かくのごとき改良点を書き連ねると紙幅が尽きる。ほとんど新型車用と言っていいほどに進化したF140。もっともHBを積む812だけで約1600台、さらにミドシップ用に小改良を施したHCを積むデイトナSP3が約600台ある。併せて2200台という数字は12気筒エンジン搭載車の2年分の生産量に相当するから、大胆なエンジン製造工程への投資も含め、マラネロの意気込みが新規開発レベルであったことは容易に想像できる。

マラネロ産2シーターのローンチ試乗会は常にフィオラノで開催される。完売御礼の限定車をサーキットで存分に試す機会などそれを逃すとほぼないと思った方がいい。コロナ禍なんかに負けていられないと、躊躇うことなくイタリアへと飛んだ。

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